2025年9月22日、愛知県豊明市で全国初となる「スマホ利用1日2時間以内」を目安とする条例が可決され、全国的な注目を集めた。
条例を発案した小浮正典市長は、京都大学から朝日放送、イオン、そして豊明市副市長を経て、2015年に市長に初当選した異色の経歴を持つ。
しかし、その市長就任の背景には、副市長時代の解職問題があった。
2015年2月、石川英明市長（当時）によって解職された小浮正典氏は、わずか2か月後の市長選で石川氏を破り、当選を果たした。
メディア出身者ならではの広報戦略、パートナーシップ制度導入などの先進的な政策、そして賛否両論を呼ぶ「スマホ2時間条例」──。
小浮正典氏の経歴、副市長解職問題の真相、そして全国初の条例が生まれた背景を徹底解説する。
小浮正典のプロフィール
https://www.tokyo-np.co.jp/
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 氏名 | 小浮正典（こうきまさふみ） |
| 生年月日 | 1969年3月11日（56歳・2025年時点） |
| 出身地 | 大阪府大阪市 |
| 学歴 | 京都大学経済学部卒業（1992年）、ピッツバーグ大学公共・国際問題専門大学院修了（1999年）、立命館大学法科大学院修了（2010年） |
| 現職 | 豊明市長（3期、2015年4月〜） |
| 前職 | 豊明市副市長（2012年8月〜2015年2月）、イオン株式会社、朝日新聞社、東京メトロポリタンテレビジョン、朝日放送 |
| 家族 | 妻、子供（詳細非公開） |
| 特徴 | 京都大学相撲部主将、メディア出身者、全国初「スマホ2時間条例」発案 |
小浮正典氏は、大阪府大阪市出身で、京都大学経済学部を卒業後、朝日放送に就職した。
メディア業界で経験を積んだ後、アメリカ留学を経て、立命館大学法科大学院でも学んだ。
イオン株式会社勤務を経て、2012年に豊明市が実施した副市長公募に合格し、副市長に就任。
2015年4月の豊明市長選挙で初当選を果たし、2019年、2023年には無投票で再選され、現在3期目を務めている。
2025年9月には、全国初となる「スマホ利用1日2時間以内」を目安とする条例を可決し、全国的な注目を集めた。
詳しい経歴──メディア業界から副市長、そして市長へ
京都大学相撲部主将と朝日放送入社（1992年）
小浮正典氏は1969年3月11日、大阪府大阪市に生まれた。
小学校や中学校時代は大阪周辺の学校で過ごしたと考えられる。
高等学校についても詳細は明かされていないが、大阪周辺の学校である可能性が高い。
京都大学経済学部に進学した小浮正典氏は、大学時代に相撲部で活動し、主将を務めた。
学業以外でもリーダーシップを発揮していた小浮正典氏は、また大学時代は映画監督になることを志していたという。
1992年、京都大学経済学部を卒業後、小浮正典氏は朝日放送株式会社（大阪本社）に就職した。
朝日放送は、関西を代表するテレビ局・ラジオ局であり、小浮正典氏はメディア業界でのキャリアをスタートさせた。
アメリカ留学とメディア業界でのキャリア（1997年〜2004年）
1997年、小浮正典氏は朝日放送を退職し、アメリカに留学。
ピッツバーグ大学公共・国際問題専門大学院で学び、1999年に修了した。
帰国後、小浮正典氏は朝日新聞社や東京メトロポリタンテレビジョン株式会社（TOKYO MX）で勤務し、メディア業界での経験をさらに積んだ。
メディア業界での経験は、後に市長として広報戦略を展開する際の強みとなった。
立命館大学法科大学院とイオン勤務（2004年〜2012年）
2004年、小浮正典氏は立命館大学法科大学院に入学した。
法科大学院で学びながら、同時期にイオン株式会社でも勤務していた。
2010年、小浮正典氏は立命館大学法科大学院を修了。
法律の知識を身につけたことは、後に行政の世界に入る際の基盤となった。
豊明市副市長公募合格と就任（2012年8月）
https://www.chunichi.co.jp/
2012年、豊明市が副市長の公募を実施した。
小浮正典氏はこの公募に応募し、合格を果たした。
2012年8月、小浮正典氏は豊明市副市長に就任。
当時の市長は石川英明氏であった。
小浮正典氏は、メディア業界での経験や法律の知識を活かし、副市長として市政に関わるようになった。
副市長解職問題──石川英明市長との対立と市長選出馬
石川英明市長の姿勢への疑問（2015年1月〜2月）
2015年1月30日、小浮正典氏は、市議会や市職員に対する説明や対話が不十分では、と石川英明市長の姿勢に疑問を持つようになった。
副市長として市政に関わる中で、石川英明市長の市政運営に対する考え方の違いが明確になっていった。
小浮正典氏は、2月19日付の退職届を提出した。
退職届提出と解職発表（2015年2月12日）
2015年2月12日、石川英明市長は、小浮正典氏を同日付で解職したと発表。
小浮正典氏が退職届を提出する前に、石川英明市長が解職を発表したという形となった。
解職の背景：
- 市議会や市職員に対する説明や対話が不十分では、との小浮正典氏の疑問
- 石川英明市長の市政運営に対する考え方の違い
小浮正典氏の解職は、豊明市政において大きな波紋を呼んだ。
豊明市長選挙への出馬表明（2015年2月20日）
2015年2月20日、小浮正典氏は豊明市長選挙への出馬を表明した。
解職からわずか8日後の出馬表明であった。
小浮正典氏は、石川英明市長の市政運営に対する問題点を指摘し、市政の刷新を訴えた。
石川氏を破り初当選（2015年4月26日）
https://static.chunichi.co.jp/
2015年4月26日、豊明市長選挙の投開票が行われた。
選挙戦では、保守系市議らの多数が小浮正典氏を支援し、後援会長は元副市長が担った。
選挙結果：
- 当選：小浮正典（無所属）
- 落選：石川英明（現職市長）
- 落選：伊藤清（元市議）
- 当日有権者数：53,037人
- 投票率：55.94%（前回比：+0.43ポイント）
小浮正典氏は、現職の石川英明氏、元市議の伊藤清氏ら2候補を破り、初当選を果たした。
2015年4月30日、小浮正典氏は豊明市長に就任。
副市長を解職されてからわずか2か月半後の市長就任という、異例の展開となった。
市長1期目・2期目──先進的な政策と無投票再選
給与減額とパートナーシップ制度導入
小浮正典氏は市長就任後、自ら給与減額を実施した。
市長の給与を削減することで、財政健全化への姿勢を示した。
また、小浮正典氏は、パートナーシップ制度の導入を推進。
パートナーシップ制度は、LGBTQカップルなどが自治体にパートナー関係を認められる制度であり、小浮正典氏は先進的な政策として導入した。
「壁のない社会」「壁のない豊明」を目指す
小浮正典氏は、「壁のない社会」「壁のない豊明」を究極の目標として掲げている。
小浮正典氏の理念：
「すべての豊明市民が心身のハンディキャップや年齢や性別や国籍の壁を超えて生き生きと幸せに暮らせる豊明を実現したい」
この理念のもと、小浮正典氏は「誰ひとり取り残さない街」を目指している。
豊明市は、国連難民高等弁務官事務所（UNHCR）の「難民を支える自治体ネットワーク」に東海地域の自治体として初めて加盟した。
小浮正典氏のメッセージ：
「当市は市民の皆様のご協力のもと『誰ひとり取り残さない街』を目指しています。この理念に国境などの壁があってはなりません」
2019年無投票再選──市政への評価
2019年（平成31年）、小浮正典氏は無投票により再選された。
対立候補が現れなかったことは、小浮正典氏の市政運営が一定の評価を受けていたことを示している。
小浮正典氏は2期目も、先進的な政策を推進し続けた。
2023年無投票再選──3期目へ
2023年（令和5年）、小浮正典氏は再び無投票により3選を果たした。
2期連続の無投票当選は、小浮正典氏の市政運営が豊明市民から広く支持されていることを示している。
小浮正典氏は、多彩な経歴を活かした市政運営を続けている。
現在話題、注目されている市長については、以下の記事で詳しく解説している。
2025年「スマホ2時間条例」──全国初の条例案提出
条例案提出の背景──不登校児童とスマホ依存（2025年8月25日）
2025年8月25日、小浮正典市長は、全国で初めてとなる仕事や勉強、家事以外でのスマートフォンなどの使用を1日2時間以内を目安にするよう促す条例案を提出した。
小浮正典市長の説明：
「不登校になっている子どもたちの状況を調べる中で、スマートフォンをずっと手にしているがために、さらにそこからなかなか抜け出せない。大人も含めてスマートフォンを使い過ぎているがために、自分の大事な人とのコミュニケーション、食事、睡眠時間を犠牲にしている場合があるのではないか」
条例案提出の背景には、豊明市内の不登校児童の増加と、スマホ依存の問題があった。
条例の内容──「余暇時間1日2時間以内」を目安
条例の正式名称は「豊明市スマートフォン等の適正使用の推進に関する条例」。
条例の主な内容：
- 仕事や勉強、通勤・通学などを除いた個人の余暇時間のスマートフォンの利用時間について、1日2時間までを目安とする
- 小学生は夜9時、中学生以上は夜10時以降の使用を控えるよう促す
- 市、保護者、学校および専門職などが連携して促す
- 子どもから大人まで、すべての市民を対象
- 違反に対する罰則はない
豊明市教育部長の説明：
「（スマホ等の）過剰使用が引き起こしかねない身体面・精神面および生活面への悪影響に関する対策を、総合的に推進するため制定する」
条例案は、あくまで「目安」であり、強制力や罰則は設けられていない。
全国から賛否の声──「余計なお世話」vs「家族で話し合うきっかけ」
条例案が報じられると、ネット上で賛否が巻き起こった。
賛成の声：
- 「私は賛成だと思う。夫や娘もずっと(スマホを)見ている。そうなると会話がなくなっちゃうので」（40代女性）
- 「一つの目安ができたら意識するようになる」（小学生の母親）
反対の声：
- 「うーん、そこまでする必要があるのかなっていう感じ。個人的には各家庭、個々にお任せで良いような気もします」（50代男性）
- 「余計なお世話」「ただの話題作り」（ネット上の声）
豊明市には100件以上の意見が寄せられた。
堀江貴文氏や井川意高氏もすぐさま否定の意見を投稿した。
豊明市内にある中京競馬場での勝ち馬投票でスマホを利用した場合、「余暇時間の利用」にあたるのかと心配する声もあがった。
識者からの批判──「エビデンスを示せ」「憲法違反の可能性」
ネットでの論議を受け、小浮正典市長はメディアの取材に対し、「（生活等に）支障がなければ2時間が3〜5時間になったところで問題ない」と回答。
しかし、識者や議員からは以下のような批判が相次いだ。
批判の内容：
- 「行政による家庭内の意思決定に対する介入」
- 「憲法違反の可能性」
- 「エビデンスを示せ」
- 条例案の上程をあきらめるよう諭す声
地方自治の専門家（愛知大学法学部 加藤洋平准教授）の指摘：
「説明責任という観点からすると、説明が少し不足している部分がある。条例を作ることはインパクトのあること。なぜこの条例が必要だったか、目的や2時間の根拠も含め、より丁寧な説明が求められる」
条例可決と施行──「最大の目的は睡眠時間の確保」
2025年9月22日、賛成多数で可決
2025年9月22日、豊明市議会は「豊明市スマートフォン等の適正使用の推進に関する条例案」を賛成多数で可決した。
採決の結果、条例は成立した。
小浮正典市長の声明──「市民の権利を制限するものではない」
https://news.yahoo.co.jp/
小浮正典市長は同日、市のWebサイト上で声明を発表した。
小浮正典市長の声明：
- 「最大の目的は睡眠時間の確保」
- 「市民の権利を制限するものではない」
- 「市民の監視目的ではない」
小浮正典市長は、条例が市民の権利を制限するものではなく、あくまでスマホの使い過ぎを見直すきっかけとすることが目的だと強調した。
10月1日施行──「理念条例」としての位置づけ
条例は2025年10月1日に施行された。
豊明市の担当者は、条例を「理念条例」と説明している。
理念条例の特徴：
- 強制力や罰則はない
- あくまで「目安」を示すもの
- 家庭でのルール作りが進むことを目的
条例は、特に18歳未満の市民に向けて、スマートフォンなどの利用が適切な睡眠時間の確保を妨げないよう、自主的な見直しを促す内容である。
全国への波及効果──他自治体への影響は？
全国初の「スマホ2時間条例」は、他自治体にも影響を与える可能性がある。
今後の注目点：
- 他の自治体が同様の条例を制定するか
- 実際にスマホ利用時間が減少するか
- 不登校児童の数に変化があるか
小浮正典市長の試みは、賛否両論を呼びながらも、スマホ依存という現代社会の問題に一石を投じた。
小浮正典の家族とメディア出身者としての広報戦略
妻と子供──詳細は非公開
小浮正典市長の妻についての詳しい情報は公開されていない。
妻は小浮正典市長より10歳程度年下とされている。
妻の職業や経歴については明らかにされていないが、専門的なキャリアを持つ女性である可能性が指摘されている。
小浮正典市長は大阪府大阪市の出身で、京都大学経済学部を卒業し、大阪本社の朝日放送などでキャリアを重ねてきた人物なので、妻との出会いのきっかけは学生時代や関西での勤務時代にあったのではないかと推測される。
小浮正典市長には子供が2人。
2023年のインタビューで豊明市長が語った内容によると、当時7歳と5歳だった子供たちは、2025年時点で9歳と7歳程度になっていると推測される。
市役所に子連れで出勤？
小浮正典市長が市役所に子連れで出勤していたという情報がある。
詳細は明らかにされていないが、子育てと市長職を両立させる姿勢が伺える。
2025年8月、豊明市は「スマホは1日2時間まで」を目安とする条例案を提出した。
こういった子供に配慮したルールを打ち出している小浮正典市長なので、家庭でも子育てを第一に考えているのではないだろうか。
妻の子育ての意見を参考に、よりよい子育てができるような政策作りをしているかもしれない。
メディア出身者としての広報戦略
小浮正典市長は、朝日放送、朝日新聞社、東京メトロポリタンテレビジョンなど、メディア業界での豊富な経験を持つ。
この経験は、市長として広報戦略を展開する際の強みとなっている。
小浮正典市長は、メディアを活用した情報発信に長けており、市政の透明性を高める取り組みを行っている。
著書『広報・PR実務の基本』
小浮正典市長は、2012年4月23日に『広報・PR実務の基本 マスコミ戦略、トラブル対応に強くなる!』（あさ出版、CD-ROM付）を出版している。
![[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/32a42e61.d770786f.32a42e62.d84f960f/?me_id=1273418&item_id=23072780&pc=https%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fvaboo%2Fcabinet%2Fitems%2Fbk0241%2Fim250403536241.jpg%3F_ex%3D128x128&s=128x128&t=picttext "[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]")
この著書は、メディア業界での経験を活かした広報・PR実務のノウハウをまとめたものである。
市長として広報戦略を展開する際の基盤となっている。
まとめ──小浮正典市長と「スマホ2時間条例」の意義
https://news.yahoo.co.jp/
異色の経歴──メディアから行政へ
小浮正典市長は、京都大学相撲部主将、朝日放送、ピッツバーグ大学留学、立命館大学法科大学院、イオン勤務という、極めて多彩な経歴を持つ。
メディア業界での経験は、市長として広報戦略を展開する際の強みとなっている。
法律の知識も、行政の世界で活きている。
小浮正典市長の経歴は、地方自治体の首長として異色であり、その多様な経験が市政運営に反映されている。
副市長解職から市長当選という逆転劇
2015年2月、小浮正典氏は石川英明市長によって副市長を解職された。
しかし、わずか2か月半後の市長選で石川氏を破り、当選を果たした。
副市長解職から市長当選という逆転劇は、小浮正典氏の政治力と市民からの支持を示している。
その後、2019年、2023年と無投票で再選され、3期目を務めている。
全国初「スマホ2時間条例」の賛否
https://www.47news.jp/
2025年9月22日、豊明市議会は全国初となる「スマホ利用1日2時間以内」を目安とする条例を可決した。
条例の評価
肯定的な見方：
- スマホ依存という現代社会の問題に一石を投じた
- 家族で話し合うきっかけとなる
- 睡眠時間の確保という明確な目的がある
否定的な見方：
- 「余計なお世話」「行政による家庭内の意思決定に対する介入」
- 2時間という数値の根拠が不明確
- エビデンスが不足している
- 憲法違反の可能性がある
条例は、強制力や罰則がない「理念条例」であり、あくまで「目安」を示すものである。
しかし、全国初の試みとして、他自治体にも影響を与える可能性がある。
小浮正典市長の試みが、実際にスマホ利用時間の減少や不登校児童の減少につながるかどうかは、今後の検証が必要である。
権力ウォッチの視点
『権力ウォッチ』は、小浮正典市長の動向を今後も追い続ける。
注目ポイント：
- 「スマホ2時間条例」の実効性はあるのか
- 実際にスマホ利用時間が減少するのか
- 不登校児童の数に変化があるのか
- 他の自治体が同様の条例を制定するのか
- 小浮正典市長の次の先進的な政策は何か
小浮正典市長は、先進的な政策を次々と打ち出す市長として知られている。
パートナーシップ制度導入、難民を支える自治体ネットワーク加盟、そして全国初の「スマホ2時間条例」──。
これらの政策は、賛否両論を呼びながらも、豊明市を全国的に注目される自治体にしている。
小浮正典市長が掲げる「壁のない社会」「壁のない豊明」「誰ひとり取り残さない街」という理念が、どのように実現されていくのか？
地方自治体の首長として、小浮正典市長の挑戦は続く。
コメント