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赤根智子(ICC所長)の経歴と国際司法の最前線|プーチン・ネタニヤフ逮捕状と米ロからの圧力

法曹界

2024年3月11日、国際刑事裁判所(ICC)の所長に、日本人として初めて赤根智子氏が就任した。

赤根智子氏は、1956年愛知県名古屋市生まれの元検察官であり、2018年にICC判事に就任後、2023年3月にロシアのプーチン大統領に対する逮捕状を発行した裁判官の1人である。

プーチン大統領への逮捕状発行により、ロシアから指名手配され、2025年12月にはモスクワの裁判所から欠席裁判で拘禁3年半~15年の判決を言い渡された。

2024年11月、ICCはイスラエルのネタニヤフ首相に対する逮捕状を発行、その後2025年2月にトランプ大統領はICC当局者への経済制裁を可能にする大統領令に署名、報復を行った。

米ロ両国からの圧力にさらされながらも、「法の支配」を守るため、ICCの存続と国際司法の実現に尽力する赤根智子氏の経歴と、国際刑事裁判所の現状を徹底解説する。

  1. 赤根智子のプロフィール
  2. 詳しい経歴──名古屋から国際司法へ
    1. 愛知県名古屋市出身、旭丘高校から東京大学へ
    2. 1982年 検事任官(横浜地方検察庁検事)
    3. 米国留学と国際協力への目覚め
    4. 2002年 国連アジア極東犯罪防止研修所(UNAFEI)教官
    5. 2010年 函館地方検察庁検事正
    6. 2013年 UNAFEI所長、2014年 法務総合研究所長
    7. 2016年 最高検察庁検事兼国際司法協力担当大使
    8. 2018年3月 ICC判事就任(日本人3人目)
  3. 国際刑事裁判所(ICC)とは
    1. ICCの設立と目的
    2. ICCが管轄する4つの犯罪
    3. ICCの組織構造
    4. ICCと国際司法裁判所(ICJ)の違い
  4. プーチン大統領逮捕状とロシアからの圧力(2023年)
    1. 2023年3月17日 プーチン大統領への逮捕状発行
    2. ウクライナからの子ども連れ去り(戦争犯罪)
    3. ロシアの反発と赤根智子氏の指名手配(2023年7月)
    4. 2025年12月 モスクワ裁判所の欠席裁判
  5. ネタニヤフ首相逮捕状と米国からの圧力(2024-2025年)
    1. 2024年11月21日 ネタニヤフ首相への逮捕状発行
    2. ガザでの戦争犯罪と人道に対する犯罪
    3. 米国の反発とトランプ大統領令(2025年2月)
    4. ICCの存続危機
  6. ICC所長就任と日本人としての使命(2024年3月)
    1. 2024年3月11日 ICC所長就任(日本人初)
    2. 18人のICC判事の互選で選出
    3. 日本の貢献とICC東京事務所構想
    4. 赤根智子氏の抱負
  7. 女性検察官・裁判官としてのキャリア
    1. 産休制度が整っていない時代
    2. 娘を祖父母に預けてキャリア優先
    3. 「女性検事に頑張ってもらわないと困る」
    4. ロシアの指名手配と警視庁SPの警護
  8. まとめ──赤根智子と国際司法の未来
    1. 名古屋から国際司法の最前線へ
    2. プーチン・ネタニヤフ逮捕状と米ロからの圧力
    3. 2026年2月現在の活動
    4. 「法の支配」を守る戦い
    5. 権力ウォッチの視点
  9. 【参考資料・出典】

赤根智子のプロフィール

項目内容
氏名赤根智子(あかねともこ)
生年月日1956年6月28日(69歳・2026年時点)
出身地愛知県名古屋市
学歴愛知県立旭丘高等学校卒業、東京大学法学部卒業(1980年)、米国ジャクソンビル州立大学で刑事司法を学ぶ
現職国際刑事裁判所(ICC)所長(2024年3月11日就任、任期3年)
前職ICC判事(2018年3月就任、任期2027年3月まで)、最高検察庁検事兼国際司法協力担当大使、法務総合研究所長
司法修習司法修習34期
検事任官1982年(横浜地方検察庁検事)
主な経歴函館地検検事正、国連アジア極東犯罪防止研修所(UNAFEI)所長、名古屋大学法科大学院教授
著書『戦争犯罪と闘う:国際刑事裁判所は屈しない』(文春新書、2025年)
その他2023年7月27日、ロシア内務省から指名手配。2025年12月12日、モスクワ裁判所から欠席裁判で拘禁刑判決

赤根智子氏は、1956年愛知県名古屋市生まれの元検察官であり、2018年に国際刑事裁判所(ICC)判事に就任、2024年3月に日本人として初めてICC所長に就任した。

1982年に検事任官後、横浜、名古屋、仙台、東京の各地方検察庁で勤務し、法務省や国連の犯罪防止機関に携わり、国際司法の分野で経験を積んだ。

2023年3月、プーチン大統領への逮捕状を発行した裁判官の1人となり、ロシアから指名手配されている。

2026年2月現在も、米ロ両国からの圧力にさらされながら、ICC所長として国際司法の最前線で活動を継続している。

赤根智子氏が所長を務める国際刑事裁判所(ICC)や国際司法の仕組みを理解するために、以下の書籍が参考になる。

赤根智子氏がプーチン大統領やネタニヤフ首相に対する逮捕状を発行した背景を理解する上で、国際法とICCの知識は重要である。

詳しい経歴──名古屋から国際司法へ

愛知県名古屋市出身、旭丘高校から東京大学へ

赤根智子氏は、1956年6月28日、愛知県名古屋市で生まれた。

地元の愛知県立旭丘高等学校を卒業後、東京大学法学部に進学し、法学を専攻。

旭丘高校は、愛知県内屈指の進学校として知られる。

赤根智子氏は、東京大学法学部を1980年に卒業した。

1982年 検事任官(横浜地方検察庁検事)

赤根智子氏は、司法修習34期を経て、1982年に検事任官し、横浜地方検察庁検事として検察官人生をスタートさせた。

その後、横浜、名古屋、仙台、東京の各地方検察庁で勤務し、検察官としての経験を積んだ。

米国留学と国際協力への目覚め

赤根智子氏は、検事7年目に入ったとき、「このままではなく、何か他の人とは違った強みを持つ検事になりたい」と思い、検事を休職して自費留学の道を選んだ。

一時的に法務事務官にしてもらい、研究休職。

赤根智子氏は、米国ジャクソンビル州立大学で刑事司法を学び、国際的な視野を広げた。

この留学経験が、赤根智子氏の国際司法へのキャリアを築く土台となった。

2002年 国連アジア極東犯罪防止研修所(UNAFEI)教官

2002年4月、赤根智子氏は法務省法務総合研究所国際連合研修協力部(教官)に就任し、国連アジア極東犯罪防止研修所(UNAFEI)次長を兼任した。

UNAFEIは、アジア太平洋地域の刑事司法実務家に対する研修を行う国際機関である。

赤根智子氏は、法整備支援など法分野における国際交流、司法外交に継続的に関わるようになった。

2010年 函館地方検察庁検事正

2005年には、名古屋大学法科大学院教授等を兼務した。

2009年1月、赤根智子氏は国際協力部長に就任し、約1年半務めた。

2010年、赤根智子氏は函館地方検察庁検事正に就任。

検事正は、地方検察庁のトップであり、地域の検察業務を統括する重要なポストである。

2013年 UNAFEI所長、2014年 法務総合研究所長

2013年7月、赤根智子氏は法務総合研究所国際連合研修協力部長兼国連アジア極東犯罪防止研修所(UNAFEI)所長に就任し、約1年務めた。

2014年7月、赤根智子氏は法務省法務総合研究所長に就任し、約2年務めた。

法務総合研究所長は、法務省の研究・研修機関のトップであり、法務行政全体を見渡す重要なポストである。

2016年 最高検察庁検事兼国際司法協力担当大使

2016年、赤根智子氏は最高検察庁検事兼国際司法協力担当大使に就任した。

国際司法協力担当大使は、外務省と連携し、国際的な司法協力を推進する役割を担う。

赤根智子氏は、日本の検察官としてのキャリアを重ねる一方で、法整備支援など法分野における国際交流、司法外交にも継続的に関わってきた。

2018年3月 ICC判事就任(日本人3人目)

2018年3月、赤根智子氏は国際刑事裁判所(ICC)の判事に就任した。

日本人のICC判事就任は、齋賀富美子氏、尾崎久仁子氏に次いで3人目である。

ICC判事の任期は9年で、赤根智子氏の任期は2027年3月までとなっている。

赤根智子氏は、日本の法曹としては初のICC判事として、国際刑事司法の最前線で活躍することとなった。

赤根智子氏のような検察官を経てICC判事となるキャリアを目指すために、以下の書籍が参考になる。

赤根智子氏が1982年に検事任官してから、2018年にICC判事に就任するまでの経歴を理解する上で、日本の法曹制度と検察官キャリアの知識は重要である。

国際刑事裁判所(ICC)とは

ICCの設立と目的

国際刑事裁判所(International Criminal Court, ICC)は、オランダ・ハーグに本部を置く、世界で唯一の常設の国際刑事法廷である。

ICCは、国際社会全体の関心事である最も重大な犯罪を犯した個人を訴追・処罰することを任務とする。

ICCの特徴:

  • 2002年7月1日設立
  • 本部:オランダ・ハーグ
  • 締約国:124か国(2024年時点)
  • 設立根拠:ローマ規程(1998年採択)

ICCが管轄する4つの犯罪

ICCが管轄権を持つのは、以下の4つの犯罪である。

①ジェノサイド(集団殺害犯罪):
特定の民族、宗教、人種集団の全部または一部を破壊する意図をもって行われる行為

②人道に対する犯罪:
一般住民に対する広範または組織的な攻撃の一部として行われる殺害、性的暴行、拷問など

③戦争犯罪:
国際武力紛争または非国際武力紛争において、ジュネーブ条約などの国際人道法に重大に違反する行為。捕虜の不当な取り扱い、民間人への攻撃、病院や学校への攻撃など

④侵略犯罪:
国家による他国への武力行使(2018年発効)

ICCは、これらの犯罪を犯した個人を捜査・訴追し、有罪判決を下すことができる。

ICCの組織構造

ICCは、以下の4つの機関から構成されている。

①裁判部門:

  • 18名の判事(任期9年)
  • 所長と2名の次長
  • 予審部、第一審部、上訴部

②検察局:

  • 主任検察官(カリム・カーン氏)
  • 捜査と訴追を担当

③書記局:

  • 事務局長
  • 裁判所の運営と管理を担当

④被害者・証人ユニット:

  • 被害者と証人の保護を担当

所長と2名の次長は「裁判所長会議」を構成し、ICCの適正な運営に責任を有する。

赤根智子氏は、2024年3月11日にICC所長に就任し、18名のICC判事の互選で選ばれた。

ICCと国際司法裁判所(ICJ)の違い

ICCとICJは、しばしば混同されるが、明確な違いがある。

ICC(国際刑事裁判所):

  • 個人の刑事責任を追及
  • 戦争犯罪、人道に対する犯罪などを扱う
  • 有罪判決を下し、刑罰を科す

ICJ(国際司法裁判所):

  • 国家間の紛争を扱う
  • 領土問題、条約の解釈など
  • 判決は国家に対して下される

ICCは個人を裁く裁判所であり、プーチン大統領やネタニヤフ首相のような個人に対する逮捕状を発行することができる。

プーチン大統領逮捕状とロシアからの圧力(2023年)

2023年3月17日 プーチン大統領への逮捕状発行

2023年3月17日、ICCは戦争犯罪の容疑でロシアのウラジーミル・プーチン大統領とマリア・リボワベロワ大統領全権代表(子どもの権利担当)に対する逮捕状を発行した。

赤根智子氏は、逮捕状を発行した裁判官3人のうちの1人である。

プーチン大統領への逮捕状は、現職の大国首脳に対する異例の措置として世界中で注目を集めた。

ウクライナからの子ども連れ去り(戦争犯罪)

ICCが発行した逮捕状の容疑は、ウクライナからの子ども連れ去りに関与した疑いである。

逮捕状の容疑:

  • ウクライナ占領地域からロシアへの子どもの違法な連れ去り
  • 戦争犯罪(ジュネーブ条約違反)
  • 人道に対する犯罪の可能性

ロシアは、ウクライナ侵攻開始後、占領地域から数千人の子どもをロシアに連れ去ったとされている。

ICCは、プーチン大統領が子どもの連れ去りを直接命令または承認した責任があると判断した。

ロシアの反発と赤根智子氏の指名手配(2023年7月)

プーチン大統領への逮捕状発行を受け、ロシアは激しく反発した。

ロシアの対応:

  • 2023年3月20日:ロシア連邦捜査委員会が、ICCのカリム・カーン主任検察官や赤根智子氏ら3人の裁判官に対する捜査を開始
  • 2023年7月27日:ロシア内務省が、刑法違反容疑で赤根智子氏を指名手配
  • ICCの逮捕状を「根拠がない」「法的効力を持たない」として全面的に否定

ロシアはICCのローマ規程締約国ではないため、逮捕状に従う義務はない。

しかし、締約国を訪問した場合、プーチン大統領は逮捕される可能性がある。

2025年12月 モスクワ裁判所の欠席裁判

2025年11月14日、ロシアの捜査当局が赤根智子氏を含む裁判官8人とカーン主任検察官を欠席裁判で起訴し、指名手配した。

2025年12月12日、モスクワの裁判所は、プーチン大統領らに違法に逮捕状を出したとして、欠席裁判で赤根智子所長らICC判事9人に拘禁3年半~15年の判決を言い渡した。

赤根智子氏の刑期は不明である。

この欠席裁判は、ICCに対するロシアの報復措置であり、国際社会からは「不当な圧力」として強く非難されている。

ローマ規程締約国と締約国会議は、ロシアの措置をICCの業務を妨害する許容できない行為として強く非難した。

赤根智子氏が発行したプーチン大統領への逮捕状や戦争犯罪を理解するために、以下の書籍が参考になる。

赤根智子氏が2023年3月にプーチン大統領に対する逮捕状を発行した背景を理解する上で、戦争犯罪と国際人道法の知識は重要である。

ネタニヤフ首相逮捕状と米国からの圧力(2024-2025年)

2024年11月21日 ネタニヤフ首相への逮捕状発行

2024年11月21日、ICCはパレスチナ自治区ガザでの戦闘を巡る戦争犯罪と人道に対する犯罪の容疑で、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とヨアブ・ギャラント前国防相に対する逮捕状を発行した。

イスラエルの現職首相に対する逮捕状発行は、プーチン大統領に続く異例の措置である。

ガザでの戦争犯罪と人道に対する犯罪

ICCが発行した逮捕状の容疑は、ガザでの軍事作戦における戦争犯罪と人道に対する犯罪である。

逮捕状の容疑:

  • 民間人への無差別攻撃
  • 人道支援の妨害
  • 飢餓を武器として使用
  • 病院や学校への攻撃

2023年10月のハマスによるイスラエル攻撃後、イスラエルはガザへの大規模な軍事攻撃を開始し、民間人を含む多数の死傷者が出た。

ICCは、ネタニヤフ首相とギャラント前国防相が戦争犯罪を直接命令または承認した責任があると判断した。

米国の反発とトランプ大統領令(2025年2月)

ネタニヤフ首相への逮捕状発行を受け、イスラエルを擁護する米国が激しく反発した。

米国の対応:

  • 2024年5月:ICC検察局がネタニヤフ首相の逮捕状を請求した際、米国議会でICニュー幹部に制裁を科すべきだとの議論が沸騰
  • 2025年2月6日:トランプ前大統領が、ICC当局者への経済制裁と渡航制限を可能にする大統領令に署名
  • ICC所長として、赤根智子氏も制裁対象になる可能性

制裁の内容:

  • 米国内の資産凍結
  • 米国への渡航禁止
  • ICC職員とその家族への制裁

米国はICCのローマ規程締約国ではなく、ICCの管轄権を認めていない。

トランプ政権は、ICCがイスラエルを不当に標的にしていると主張し、ICCへの圧力を強めている。

アメリカ・トランプ政権に対峙、尽力している政治家については、以下の記事で詳しく解説している。

ICCの存続危機

ロシアからの指名手配と欠席裁判、米国からの制裁という二重の圧力により、ICCは存続の危機を迎えている。

2026年1月6日のNHK報道では、「”存続の危機を迎えている”とされるICC。アメリカやロシアによる圧力のなか、ICCを率いるのは1人の日本人だ」と報じられた。

赤根智子氏は、日本記者クラブでの会見で「ICCがつぶれれば、恒久的な刑事裁判所は世界で二度と生まれない」との危機感を表明した。

欧米諸国の多くはロシアやトランプ政権の措置を非難し、赤根智子氏とICCを支持している。

日本政府も「不当な圧力には屈しない」とコメントを発表した。

ICC所長就任と日本人としての使命(2024年3月)

2024年3月11日 ICC所長就任(日本人初)

2024年3月11日、赤根智子氏は18人のICC判事の投票により、ICC所長に選出された。

任期は3年で、日本人がICC所長に就任するのは初めてのことである。

ICC所長は、18名のICC判事による秘密投票における絶対多数の議決で選出される。

赤根智子氏は、今回の選出をもって2024年3月11日付けでICC所長に就任した。

その他、アイタラ判事(イタリア)が第一次長、アラピニ判事(ベナン)が第二次長に就任。

18人のICC判事の互選で選出

赤根智子氏のICC所長就任は、18人のICC判事の互選で選ばれたことを意味する。

赤根智子氏は、「仲間の裁判官から所長に選出されたことを大変光栄に思う。裁判所の各機関や弁護人、被害者側の対話を促進する」と表明した。

日本記者クラブでの会見で、赤根智子氏は「私は帰国子女でも、海外経験が豊富な外交官出身でもない。それでも、十分に仕事をして、18人いるICC裁判官の互選で所長に選出された」と述べ、日本の若者にICCを目指すよう促した。

日本の貢献とICC東京事務所構想

赤根智子氏は、ICC所長就任後のインタビューで「日本は最大の拠出国。お金だけではない貢献をしなくてはならない」と語り、日本人所長として人材面でもICCに貢献する意欲を示している。

日本の拠出金:

  • 2023年の分担金:約37億5,000万円
  • 分担率:15.4%(世界最大)

赤根智子氏はまた、「広報活動拠点となる東京事務所設置を実現したい」と述べ、ICC東京事務所構想を推進している。

ICC東京事務所が設置されれば、日本の若者がICCを身近に感じ、インターンやボランティアとして働く機会が増える。

日本政府も、ICCの警備強化や職員の保護のための特別信託基金への財政支援を行っている。

赤根智子氏の抱負

上川陽子外相は「日本人で初めてICC所長に選出されたことは高い評価の表れで、大きな意義がある。さらなる活躍を期待する」との談話を発表した。

同時に、日本政府として「引き続きICCの発展を支援し、国際社会における法の支配の推進に積極的に貢献していく」と強調。

赤根智子氏は、「世界がこれほど急激に変化し、大きな戦争や事件が続く中、非常に難しいかじ取りを求められるが、自分のできる限り頑張っていきたい」と述べている。

赤根智子氏のような女性リーダーとして国際機関のトップになるために、以下の書籍が参考になる。

赤根智子氏が日本人初のICC所長に就任した経緯を理解する上で、女性リーダーシップと国際機関でのキャリア形成の知識は重要である。

女性検察官・裁判官としてのキャリア

産休制度が整っていない時代

赤根智子氏が検察官として働き始めた1982年は、産休制度も整っておらず、女性が検察官としてキャリアを築くことは非常に困難な時代だった。

赤根智子氏は、産後1ヶ月で仕事復帰したという。

娘を祖父母に預けてキャリア優先

赤根智子氏が検察官として働く間、娘は祖父母の元で育てられた。

赤根智子氏は、「罪悪感はあったが、キャリアを築く上で仕方がなかった」と語っている。

仕事と育児の両立に苦労しながらも、キャリアを優先した赤根智子氏の決断が、今日のICC所長就任につながった。

「女性検事に頑張ってもらわないと困る」

赤根智子氏は、法務総合研究所のインタビューで「これからの時代を開くためには、女性検事に頑張ってもらわないと困るのです」と述べている。

赤根智子氏は、「夢は大きく、あゆみは着実に足元から」という言葉を大切にしている。

赤根智子氏自身、恐れずに自分の分野から外に出て、小さくまとまることなく、色々なものを吸収していった。

ロシアの指名手配と警視庁SPの警護

2024年の日本記者クラブでの会見場では、複数の警視庁警護員(SP)が周囲に目を光らせていた。

赤根智子氏は、ウクライナ侵攻を続けるロシアから指名手配されており、身の安全が脅かされている。

赤根智子氏は、「私自身も、あまり外出をしないよう心がけるようになった。自分の安全のためだけではなく、自分に何か起きれば裁判所自体への脅威にもなり得る」と述べている。

ローマ規程締約国と締約国会議が、ロシアの措置をICCの業務を妨害する許容できない行為として強く非難したことは留意したい。

赤根智子氏は、「ICCの判事や職員の安全、および裁判業務を維持するための努力を所長として継続していきたい」と述べている。

現在話題、注目されている日本の弁護士については、以下の記事で詳しく解説している。

まとめ──赤根智子と国際司法の未来

名古屋から国際司法の最前線へ

赤根智子氏は、1956年愛知県名古屋市生まれの元検察官であり、1982年に検事任官後、横浜、名古屋、仙台、東京の各地方検察庁で勤務した。

米国留学を経て国際協力への目覚めを得た赤根智子氏は、国連アジア極東犯罪防止研修所(UNAFEI)教官、函館地検検事正、UNAFEI所長、法務総合研究所長、最高検検事兼国際司法協力担当大使を歴任。

2018年3月にICC判事に就任し、2024年3月11日に日本人として初めてICC所長に就任した。

プーチン・ネタニヤフ逮捕状と米ロからの圧力

2023年3月17日、赤根智子氏はプーチン大統領に対する逮捕状を発行した裁判官の1人となり、ロシアから指名手配された。

2025年12月12日、モスクワの裁判所は、欠席裁判で赤根智子所長らICC判事9人に拘禁3年半~15年の判決を言い渡した。

2024年11月21日、ICCはネタニヤフ首相に対する逮捕状を発行、その報復行為として、2025年2月6日にトランプ大統領はICC当局者への経済制裁を可能にする大統領令に署名。

米ロ両国からの圧力により、ICCは存続の危機を迎えている。

2026年2月現在の活動

2026年2月現在、赤根智子氏はICC所長として活動を継続している。

2026年1月6日のNHK報道では、「”存続の危機を迎えている”とされるICC。アメリカやロシアによる圧力のなか、ICCを率いるのは1人の日本人だ」と報じられた。

米ロ両国からの圧力にさらされながらも、赤根智子氏は「法の支配」を守るため、ICCの存続と国際司法の実現に尽力している。

主な活動:

  • ICC所長としての業務(任期2024年3月~2027年3月)
  • ICC東京事務所構想の推進
  • 日本の若者へのICC参加の呼びかけ
  • 国際社会における法の支配の推進

「法の支配」を守る戦い

赤根智子氏は、日本記者クラブでの会見で「ICCは正義がなければ持続的な平和・秩序はないとする原則に基づいて設置されている。重大な犯罪に対して責任を追及しなければ、復讐と暴力のサイクルをさらに助長する。持続的な平和は、法の支配によってのみ築かれると信じる」と述べている。

赤根智子氏は、「ICCがつぶれれば、恒久的な刑事裁判所は世界で二度と生まれない」との危機感も表明した。

赤根智子氏が守る「法の支配」や国際政治の権力構造を理解するために、以下の書籍が参考になる。

赤根智子氏がプーチン大統領やネタニヤフ首相に対する逮捕状を発行し、米ロからの圧力に屈せず「法の支配」を守る姿勢を理解する上で、国際政治と権力監視の知識は重要である。

権力ウォッチの視点

『権力ウォッチ』は、赤根智子氏とICCの動向を今後も追い続ける。

注目ポイント:

  • 米ロからの圧力に屈せずICCを守れるか
  • プーチン大統領やネタニヤフ首相の逮捕は実現するか
  • ICC東京事務所構想は実現するか
  • 日本政府のICCへの支援は継続するか
  • 国際社会における「法の支配」の未来

赤根智子氏の存在は、国際司法が大国の圧力に屈しない強さを持つべきであることを示している。

プーチン大統領とネタニヤフ首相に対する逮捕状発行は、ICCが権力者を裁く意志を持つことを世界に示した。

しかし、ロシアと米国という2つの大国がICCに圧力をかけ、ICCの存続を脅かしている現状は、国際司法の脆弱性を露呈している。

赤根智子氏は、ロシアから指名手配され、欠席裁判で拘禁刑判決を言い渡され、米国からは経済制裁の対象となる可能性に直面している。

それでも赤根智子氏は、「法の支配」を守るため、ICCの存続と国際司法の実現に尽力。

赤根智子氏の著書『戦争犯罪と闘う:国際刑事裁判所は屈しない』(文春新書、2025年)は、ICCの使命と赤根智子氏の決意を示している。

国際刑事司法の未来は、赤根智子氏のような「法の支配」を信じる人々の努力にかかっている。

『権力ウォッチ』は、赤根智子氏とICCの活動を監視し続け、国際司法の透明性と公正性を守るために情報を発信し続ける。

【参考資料・出典】

本記事は以下の公開情報を基に作成されています。

公的資料・報道記事:

  • Wikipedia「赤根智子」(2026年1月更新)
  • 日本経済新聞「国際刑事裁判所、所長に赤根智子裁判官 日本人初トップ」(2024年3月11日)
  • 日本記者クラブ「赤根智子・国際刑事裁判所(ICC)所長 会見」
  • NHKニュース「アメリカ・ロシアの圧力に立ち向かう日本人 戦争犯罪に司法の裁きを ICC=国際刑事裁判所 赤根智子所長とは」(2026年1月6日)
  • 慶應義塾大学「国際刑事裁判所(ICC)赤根智子所長による講演会を開催」(2024年6月)
  • 外務省「赤根智子国際刑事裁判所(ICC)判事の裁判所長選出について(外務大臣談話)」(2024年3月11日)
  • 東京新聞「ロシアに指名手配されても『動揺しない』赤根智子さんが語る『失敗を恐れず外へ』 日本人初の国際刑事裁判所長」(2024年4月17日)
  • 法務省法務総合研究所「法整備支援の先を語る(国際刑事裁判所判事の視点から)~ICD創設20周年記念 赤根智子判事スペシャルインタビュー~」
  • 椙山女学園大学「人間講座 国際刑事裁判所(ICC)-意義とその役割」(2025年5月29日)

法令・制度:

  • ローマ規程(ICC設立条約)
  • ジュネーブ条約
  • 国際人道法

注記:

  • 本記事は公開されている報道情報および公的資料を基に作成されています
  • 赤根智子氏は2023年3月17日にプーチン大統領に対する逮捕状を発行した裁判官の1人です
  • 2023年7月27日、ロシア内務省が赤根智子氏を指名手配しました
  • 2024年3月11日、赤根智子氏は日本人初のICC所長に就任しました
  • 2024年11月21日、ICCはネタニヤフ首相に対する逮捕状を発行しました
  • 2025年2月6日、トランプ大統領がICC当局者への経済制裁を可能にする大統領令に署名しました
  • 2025年12月12日、モスクワの裁判所は、欠席裁判で赤根智子所長らICC判事9人に拘禁刑判決を言い渡しました
  • 2026年2月現在、赤根智子氏はICC所長として活動を継続しています
  • 時系列は複数の報道機関の報道を照合し、正確性を確認しています
  • 本記事は事実の客観的記述を目的としており、特定の政治的立場に偏らない中立的な記述を心がけています

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