静岡県伊東市初の女性市長として、2025年5月に現職を破って当選した田久保真紀氏。
メガソーラー建設反対と図書館建設反対を掲げ、自民党・公明党推薦の現職を破った田久保真紀氏は、市民から大きな期待を寄せられていた。
しかし当選からわずか2か月後、匿名の「怪文書」が市議全員に届き、東洋大学卒業という経歴が虚偽であることが発覚した。
「除籍」を「卒業」と偽り、卒業証書を「19.2秒チラ見せ」し、百条委員会の証人尋問を拒否──
千葉県出身で広告業界を経て伊東市でカフェを経営していた田久保真紀氏の経歴、メガソーラー反対運動、そして学歴詐称から失職に至るまでの権力の崩壊を徹底解説する。
田久保真紀のプロフィール
https://www.nikkei.com/
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 氏名 | 田久保真紀（たくぼ まき） |
| 生年月日 | 1970年2月3日（55歳・2025年時点） |
| 出身地 | 千葉県船橋市 |
| 学歴 | 静岡県立伊東城ヶ崎高等学校卒業、東洋大学法学部除籍（卒業と詐称） |
| 現職 | なし（2025年10月31日失職） |
| 前職 | 伊東市長（1期、2025年5月29日〜2025年10月31日）、伊東市議会議員（2期） |
| 経歴 | バイク便ライダー、イベント人材派遣会社勤務、広告業界、カフェ経営 |
| 家族 | 10歳の時に父が病死、中学3年生の時に伊東市に転居 |
| 特徴 | メガソーラー建設反対運動のリーダー |
田久保真紀氏は、わずか5か月で失職した静岡県伊東市長である。
千葉県船橋市に生まれ、10歳で父を病気で亡くした。中学3年生の時に静岡県伊東市に転居し、静岡県立伊東城ヶ崎高等学校を卒業。
東洋大学法学部に進学したが除籍された。
バイク便ライダー、イベント人材派遣会社勤務、広告業界を経て独立し、2010年に伊東市に帰郷してカフェを経営した。
メガソーラー建設反対運動のリーダーとして地域で活動し、伊東市議会議員を2期務めた後、2025年5月29日に伊東市長に就任。
しかし東洋大学卒業という学歴詐称が発覚し、2025年10月31日に失職した。
田久保真紀氏は、学歴詐称によって政治生命を失った元伊東市長として記録されることになった。
詳しい経歴──千葉から伊東へ、そしてカフェ経営
千葉県船橋市での生い立ちと父の死
田久保真紀氏は1970年2月3日、千葉県船橋市に生まれた。
10歳の時に父が病気で亡くなり、母親に育てられた。
父を早くに亡くした経験が、元伊東市長となる田久保真紀氏の人格形成に大きな影響を与えたと言われている。
母子家庭での生活を通じて、社会的弱者への共感を持つようになった。
伊東市への転居と東洋大学除籍
中学3年生の時、田久保真紀氏は母親と共に静岡県伊東市に転居した。
伊東市立北中学校を経て、静岡県立伊東城ヶ崎高等学校を卒業。
その後、東洋大学法学部に進学したが、除籍された。
除籍とは、学費未納や長期欠席などの理由で大学から学籍を失う処分であり、自主的な意思による退学とは異なる。
卒業とは全く異なる処分である。
田久保真紀氏は後に、市長選挙の際に「東洋大学法学部卒業」と経歴を詐称することになる。
バイク便ライダーから広告業界へ
東洋大学を除籍された後、田久保真紀氏はバイク便ライダーとして働いた。
その後、イベントに人材を派遣する会社に勤務し、広告業界で独立。
広告業界での経験が、後に元伊東市長となった田久保真紀氏の政治活動における情報発信能力につながったと言われている。
伊東市でのカフェ経営と地域活動
2010年、田久保真紀氏は伊東市に帰郷し、カフェを経営を開始。
カフェを経営しながら地域活動に参加するようになり、2015年頃から本格化したメガソーラー建設反対運動のリーダーとして注目を集めた。
学歴詐称問題で失職する前、元伊東市長の田久保真紀氏は地域のリーダーとして市民から信頼されていた。
メガソーラー建設反対運動と政治家への道
ハンファエナジージャパンのメガソーラー計画
田久保真紀氏は、メガソーラー建設反対運動のリーダーとして政治家への道を歩み始めた。
2015年頃、伊東市八幡野で韓国資本の「ハンファエナジージャパン」が主導する大規模太陽光発電所計画が浮上した。
約43万平方メートルの山林を伐採して大規模太陽光発電所を造成する計画であり、地域住民から環境破壊や土砂災害の懸念が噴出。
のちに伊東市長となる田久保真紀氏は、住民の不安に応える形で反対運動の中心的なリーダーとなった。
反対運動のリーダーとして
田久保真紀氏は、メガソーラー建設反対運動を通じて地域での知名度を高めていった。
住民説明会や署名活動を主導し、市議会への陳情を重ねた。
メガソーラー反対運動は、後に学歴詐称問題で失職する元伊東市長の田久保真紀氏にとって、政治家としての原点となった。
地域住民の信頼を獲得した田久保真紀氏は、メガソーラー問題を市政に反映させるため、市議会議員選挙への出馬を決意した。
伊東市議会議員選挙（2019年・2023年）
2019年、田久保真紀氏は伊東市議会議員選挙に立候補し、初当選を果たす。
日本共産党の重岡秀子市議などが応援。
2023年の市議会議員選挙では最下位当選という厳しい結果だったが、田久保真紀氏は市長選挙への挑戦を決意。
学歴詐称問題が発覚する前、元伊東市長の田久保真紀氏はメガソーラー反対の旗手として市民から支持されていた。
2025年伊東市長選挙──図書館建設反対と現職破り
https://news.at-s.com/
2025年5月18日、伊東市長選挙が告示された。
選挙の争点は総額約42億円の図書館建て替え計画の是非とメガソーラー建設中止であった。
現職の小野達也市長は自民党、公明党、連合静岡など約70の組織や団体の推薦を受け、新図書館建設を公約に掲げた。
田久保真紀氏は図書館建設計画に反対し、メガソーラー建設中止を訴えた。
日本共産党の重岡秀子市議などが応援。
2025年5月25日の投開票の結果、田久保真紀氏は小野達也市長を破り初当選した。
2025年5月29日、田久保真紀氏は伊東市長に就任したが、学歴詐称問題により後に失職することになる。
現在、話題注目されている他の市長ついては、以下の記事で詳しく解説している。
2025年6月学歴詐称疑惑の発覚──匿名の「怪文書」
https://www.news-postseven.com/
市議全員に届いた匿名の告発文書
元伊東市長の田久保真紀氏は、市長就任からわずか2週間後に学歴詐称疑惑に直面した。
2025年6月上旬、伊東市議全員のもとに匿名の告発文書が届いた。
告発文書には「東洋大学卒ってなんだ。中退どころか除籍だったと記憶している」と記され、田久保真紀氏の経歴に疑問を投げかける内容だった。
田久保真紀氏は市長選挙の際、報道機関から求められた経歴調査票に「東洋大学法学部経営法学科卒」と記載していた。
また当選後の市の広報紙「広報いとう」7月号にも「東洋大学法学部卒業」と記載されていた。
匿名の告発文書により、元伊東市長となる田久保真紀氏の学歴詐称疑惑が浮上する。
市議会での追及と田久保氏の沈黙
2025年6月25日、伊東市議会定例会で学歴について市民からの質問が取り上げられた。
田久保真紀氏は「この件については代理人弁護士に任せている。私から個人的に発言することは控える」と述べ、明確な説明を避けた。
元伊東市長の田久保真紀氏の姿勢は一層の不信を招き、SNS上では「証明書を見せろ」「逃げるな」といった批判の声が相次ぐ。
学歴詐称疑惑に対して説明責任を果たさない田久保真紀氏の対応は、市民の不信感を増幅させた。
田久保氏の記者会見──「除籍」を初めて認める
https://mainichi.jp/
2025年7月2日、田久保真紀氏は記者会見を開き、東洋大学を卒業していないことを初めて認めた。
田久保真紀氏は「自ら大学に出向いて確認したところ、除籍であることが判明した」と述べ、除籍を知ったのは2025年6月28日だと主張。
また「30年以上前のことで、記憶があいまいだった」と釈明した。
しかし会見内容は多くの疑問を残すものだった。
なぜ30年以上も除籍であることに気づかなかったのか、市長選挙の際に大学卒業と記載したのはなぜか、卒業証書を持っていると主張するが提示しない。
元伊東市長の田久保真紀氏の説明は記者とのかみ合わないちぐはぐなやり取りとなり、市長としての適性に疑問を抱かせる内容となる。
学歴詐称を認めながらも明確な説明を避ける姿勢が批判された。
卒業証書「19.2秒チラ見せ」事件
2025年7月7日夜、田久保真紀氏は会見を開き、卒業証書とされる書類について「本物だと思っている」と述べた。
しかし田久保真紀氏は市議会の議長、副議長に対して、卒業証書とされる書類を「チラ見せ」しただけで、しっかりと提示しなかった。
後の検証により、「チラ見せ」の時間はわずか19.2秒であったことが明らかになる。
議長らが内容を確認する時間がなく、卒業証書の真偽を確認できない状態だった。
田久保真紀氏は「30年前くらいのこと…どのように手にしたのか記憶があいまい」と述べたが、卒業証書という重要な書類の入手経緯を覚えていないという説明は、さらなる疑念を招いた。
元伊東市長の田久保真紀氏による「19.2秒チラ見せ」事件は、学歴詐称問題における説明責任の放棄を象徴する出来事となった。
刑事告発と不信任決議──市政の混乱
公職選挙法違反での刑事告発
元伊東市長の田久保真紀氏は、学歴詐称疑惑により刑事告発された。
2025年7月7日、伊東市川奈の建設会社社長が田久保真紀氏を公職選挙法違反の疑いで刑事告発した。
告発内容は、市長選挙に出馬した際に報道各社に対して東洋大学法学部を卒業したという虚偽の情報を伝え、当選を得る目的で虚偽の経歴を公にしたというものであり、公職選挙法違反にあたると指摘。
田久保真紀氏は「選挙の際に自ら東洋大学卒業と公表してはいないので、公職選挙法違反には当たらない」と反論。
2025年7月28日、伊東警察署は告発状を受理した。
学歴詐称問題は刑事事件へと発展し、元伊東市長の田久保真紀氏への追及は厳しさを増した。
百条委員会の設置と証人尋問拒否
伊東市議会は学歴詐称疑惑を調査するため、地方自治法第100条に基づく調査特別委員会、いわゆる百条委員会を設置。
百条委員会は田久保真紀氏に対して証人尋問への出席を求めた。
しかし田久保真紀氏は百条委員会の証人尋問への出席を拒否した。
出席拒否の理由として、「出席が必要な理由に関する百条委側の説明が不十分」であり、代理人弁護士が「どんなことを証言するのか記載がなかった」と主張。
2025年8月13日、田久保真紀氏は百条委員会に出頭したが、証言を拒否する場面が散見され、「事実上のゼロ回答」と批判された。
百条委員会の委員長は「脈を打つように嘘をついている」と厳しく批判。
元伊東市長の田久保真紀氏による説明責任の放棄は、学歴詐称問題をさらに悪化させた。
第1回不信任決議可決
https://www.tokyo-np.co.jp/
2025年9月1日、伊東市議会は田久保真紀氏に対する不信任決議案を提出。
不信任決議の理由は、学歴詐称疑惑で市民を困惑させたこと、補正予算の編成が大幅に遅れるなど市政を停滞させた責任は重大であること、百条委員会による調査への非協力であった。
不信任決議案は出席した市議19人全員の賛成一致で可決された。
元伊東市長の田久保真紀氏は、市議会から完全に信任を失った状態となった。
地方自治法違反での刑事告発
2025年9月1日、伊東市議会は田久保真紀氏を地方自治法違反の疑いで刑事告発することも全会一致で可決した。
告発内容は、百条委員会の証人尋問への出頭拒否、卒業証書とされる書類の提出拒否であり、地方自治法違反にあたるとされた。
刑事告発状は伊東警察署に提出され、即日受理された。
田久保真紀氏は地方自治法の規定により10日以内に市長辞職もしくは市議会の解散を選択することとなった。
学歴詐称問題で二つ目の刑事告発を受けた元伊東市長の田久保真紀氏は、重大な決断を迫られることになった。
議会解散と市議選──「図太さ」が招いた末路
https://www.city.ito.shizuoka.jp/
辞職を翻して議会解散を選択
元伊東市長の田久保真紀氏は、不信任決議を受けて辞職ではなく議会解散という選択をした。
不信任決議を受けた田久保真紀氏は10日以内に辞職または議会解散を選択しなければならなかった。
期限の前日となった2025年9月10日、田久保真紀氏は市議会を解散した。
市議会解散の意味は、40日以内に市議会議員選挙が行われ、新しい市議会で再度不信任決議案が可決されると失職するというものである。
田久保真紀氏が辞職ではなく議会解散を選んだことに、市民からは「残念」「早く辞表を出すべきだ」などと厳しい声が相次いだ。
市議会側は猛反発し、学歴詐称問題により市政は混迷の度合いを深めることになる。
伊東市議会議員選挙
2025年10月12日、議会解散に伴う伊東市議会議員選挙（定数20）が告示され、30人が立候補を届け出た。
選挙戦は元伊東市長の田久保真紀氏の続投の可否が最大の争点となった。
2025年10月19日、投開票が行われ、選挙結果は、田久保真紀氏への再度の不信任決議案について賛成の意向を示す19人が当選し、議会の多数を占めることになった。
学歴詐称問題で失職の危機に瀕した田久保真紀氏にとって、議会解散という賭けは失敗に終わった。
10月31日に招集される臨時議会で不信任決議案が再び可決され、田久保真紀氏は失職する公算が大きくなった。
第2回不信任決議可決と失職
2025年10月31日、伊東市議会臨時会が開かれた。
田久保真紀氏に対する2度目の不信任決議案が賛成多数で可決された。
地方自治法の規定により、同一任期中に2度目の不信任決議を受けた首長は失職となる。
田久保真紀氏は同日付で失職した。
記者団の取材に応じた田久保真紀氏は、時折涙を見せながら「自分なりに考え、決断してきた。後悔はない」と語った。
https://www.yomiuri.co.jp/
一方、市議会の中島弘道議長は「市政の停滞で市民に迷惑をかけた。時間とお金の無駄だった」と、元伊東市長の田久保真紀氏への憤りを露わに。
学歴詐称問題により、わずか5か月で失職という異例の事態となった。
田久保真紀氏の「続投宣言」と「辞意撤回」
元伊東市長の田久保真紀氏は、一度辞職を表明していた。
2025年7月31日、田久保真紀氏は「7月中に辞職し、出直し選に出馬する」と表明。
しかし同日夜、田久保真紀氏は会見を開き、辞意を翻して続投する意向を明らかにした。
続投の理由として、「たくさんの方々から厳しいご意見とともに、伊東が変わる機会が失われるのかと、大きな失望の声も多くいただきました」と述べ、街で耳に入った激励の声に励まされて翻意したと説明した。
また田久保真紀氏は学歴詐称を指摘する告発文書について「怪文書」と断じ、「得体の知れない、怖いといいますか、不安というか、不安定な気持ちに襲われた」と述べた。
「辞意撤回」と「続投宣言」は市民や議会からさらなる不信を招く結果に。
伊東市議会副議長は「なんでこんな人が政治家をやっているのか」と激怒。
学歴詐称問題における田久保真紀氏の一貫性のない対応が、最終的な失職につながった。
田久保真紀の家族とプライベート
田久保真紀氏の人生は、家庭環境と地域活動への関わりが深く影響している。
元伊東市長として注目を浴びた後、学歴詐称問題によって辞任した経歴は、家庭で培った信念と現実の乖離を象徴している。
学歴詐称による失墜と、元伊東市長としての責任の重さは、地方政治における倫理の教訓として語り継がれるだろう。
父の死と母子家庭での成長
田久保真紀氏は10歳の時、父を病気で亡くした。
父の死は田久保真紀氏に大きな精神的影響を与え、母親と共に生き抜く中で強い自立心を育んだ。
母子家庭での経験が社会的弱者への共感を生み、市政の場で福祉を重視する姿勢につながっていった。
家族の支えを失った幼少期が、田久保真紀氏の行動原理を形成したと言える。
伊東市への転居と地域への愛着
中学3年生の頃に伊東市へ転居した田久保真紀氏は、伊東市立北中学校と伊東城ヶ崎高校を卒業し、地域のつながりを大切にしてきた。
成人後も伊東市を拠点とし、市民との関係を築きながら「地域密着型の政治家」として活動。
伊東への帰郷後、「故郷の自然と人を守りたい」という信念が元伊東市長としての原動力となった。
カフェ経営と市民活動
2010年、田久保真紀氏は伊東市内でカフェを経営を始める。
店は地域住民の交流の場となり、環境保護やメガソーラー建設反対運動などの市民活動の拠点として発展した。
この活動が市民からの信頼を集め、後の市長選出馬につながった。
しかし、学歴詐称報道が表面化した際には、市民の一部から「裏切られた」という声も聞かれた。
「怪文書」への恐怖と被害者意識
田久保真紀氏は学歴詐称を指摘する文書を「怪文書」と表現し、強い不安を語った。
自らを情報漏えいの被害者と位置づけたが、議会や市民はその説明に納得しなかった。
元伊東市長としての説明責任と被害者意識の境界が曖昧になり、混乱を招いたことが批判された。
田久保真紀氏の事例は、地方首長に求められる透明性と誠実さを改めて問いかけている。
まとめ──田久保真紀市長と学歴詐称の教訓
https://mainichi.jp/
田久保真紀氏の学歴詐称問題は、地方政治における倫理と信頼の崩壊を象徴する事件である。
元伊東市長として市民から信頼を得た政治家が、虚偽の経歴によって地位を失った事実は、市民政治の原点を問い直す教訓として残る。
メガソーラー反対運動で築いた支持を、自らの不誠実な行動で失った代償は重い。
わずか5か月での失職
田久保真紀氏は2025年5月29日に伊東市長に就任し、わずか5か月後の10月31日に辞職した。
学歴詐称とされる経歴虚偽が発覚し、議会との対立や説明責任放棄によって信頼を完全に失った。
メガソーラー問題の市民代表として誕生した元伊東市長だったが、政治倫理の根幹を損なう行為により失職へ追い込まれた。
改革を掲げた市政が短期間で崩壊した背景には、誠実さの欠如があった。
「謝罪も、論破もいらない」──説明責任の放棄
田久保真紀氏は、学歴詐称を指摘されても明確な証拠を提示しなかった。
卒業証書を一瞬見せただけで開示を拒み、「怪文書」と反論する発言が批判を招いた。
百条委員会での証言拒否や、「30年前のことで記憶があいまい」とする弁明も、市民の信頼回復にはつながらなかった。
説明責任を果たさない政治姿勢は、元伊東市長としての責務を放棄したと受け止められた。
地方政治の倫理観と市民の信頼
田久保真紀氏の学歴詐称問題は、地方政治全体の倫理観を問う事態となった。
虚偽の経歴で有権者を欺いたまま市政を運営することは、市民との契約を破る行為である。
伊東市民が期待した「クリーンな政治」は崩れ、市政不信へとつながった。
地方首長が公正であること、その行動が透明であることが、市民政治の基盤であるという事実を改めて示した。
権力ウォッチの視点
権力の監視は、民主主義を守る要である。
田久保真紀氏の学歴詐称と説明責任拒否は、個人の問題を超えた構造的課題だ。
メガソーラー反対運動で得た正義の象徴が、一転して不信の象徴に変わった。
権力を手にした瞬間こそ、最も厳しい自制と説明が求められる。
元伊東市長の失墜は、倫理を欠いた政治の危うさを明確に示した事例である。
コメント