2024年7月7日、東京都知事選で165万票を獲得し、小池百合子氏に次ぐ2位となった石丸伸二氏は、一躍全国区の政治家となった。
広島県安芸高田市長として2020年8月から2024年6月まで在任し、YouTubeを活用した「SNS政治」で注目を集めた石丸伸二氏は、市議会との激しい対立を繰り広げ、「恥を知れ!」という発言で全国的な知名度を得た。
しかし、その市政の裏で、石丸伸二氏に居眠りを指摘された武岡隆文市議が2024年1月に68歳で逝去し、その妻も2025年1月に「たすけて」というメッセージを息子に残して亡くなるという悲劇が起きていた。
京都大学から三菱UFJ銀行、ニューヨーク駐在を経て市長となった石丸伸二氏の経歴、165万票獲得の衝撃、武岡市議夫妻問題の真相、そして2025年11月「再生の道」初の議席獲得までを徹底解説する。
石丸伸二のプロフィール

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| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 氏名 | 石丸伸二(いしまるしんじ) |
| 生年月日 | 1982年8月12日(43歳・2025年時点) |
| 出身地 | 広島県高田郡吉田町(現・安芸高田市) |
| 学歴 | 吉田小学校、吉田中学校、広島県立祇園北高等学校、京都大学経済学部卒業(2006年) |
| 現職 | 政治活動家(2025年9月16日に政治団体「再生の道」代表を退任) |
| 前職 | 安芸高田市長(1期、2020年8月〜2024年6月)、三菱UFJ銀行為替アナリスト(2006年〜2020年) |
| 家族 | 独身(公表情報による) |
| 特徴 | トライアスロン、YouTubeを活用したSNS政治、「恥を知れ!」発言で有名 |
石丸伸二氏は、広島県安芸高田市(旧吉田町)に生まれ、京都大学経済学部を卒業後、三菱UFJ銀行に入行した。
為替アナリストとして2014年から4年半ニューヨーク駐在を経験し、帰国後の2020年7月に故郷・安芸高田市長選に立候補し、当選を果たした。
市長在任中はYouTubeを活用した「SNS政治」で全国的な注目を集めたが、市議会との激しい対立も特徴だった。
2024年6月に市長を任期途中で辞職し、東京都知事選に立候補。165万票を獲得して2位となり、全国区の政治家となった。
2025年1月に地域政党「再生の道」を立ち上げたが、都議選・参院選で全員落選。
同年9月16日に代表を退任した。
しかし、2025年11月9日の葛飾区議選で岩見奈津代氏が当選し、「再生の道」として初の議席を獲得した。
詳しい経歴──安芸高田市から京都大学、銀行員、そして市長へ

安芸高田市(旧吉田町)での生い立ちと京都大学

石丸伸二氏は1982年8月12日、広島県高田郡吉田町(現・安芸高田市)に生まれた。
吉田小学校、吉田中学校を卒業後、広島県立祇園北高等学校(16期生)に進学。
浪人を経て、京都大学経済学部に入学。
2006年に同大学経済学部を卒業した。
石丸伸二氏は学生時代からトライアスロンに打ち込み、体力と精神力を鍛えた。
この経験は、後の選挙戦で1日10か所以上の街頭演説をこなす体力の源となった。
三菱UFJ銀行為替アナリスト(2006年〜2020年)

2006年、石丸伸二氏は三菱東京UFJ銀行(現・三菱UFJ銀行)に入行した。
配属先は姫路支店で、その後、企画部や金融市場部で分析・予測の専門家(アナリスト)として活動した。
担当範囲は日本、米国、中国、韓国、中南米などの政治・経済・市場分析であった。
メディアにも頻繁に出演し、日経CNBC「朝エクスプレス」、NHK BS1「キャッチ!世界のトップニュース」、TBS「ひるおび!」、フジテレビ「めざましテレビ」などに為替アナリストとして登場した。
ニューヨーク駐在と世界9カ国25都市での活動

2014年、石丸伸二氏は為替アナリストとして三菱UFJ銀行子会社MUFGユニオンバンクの初代ニューヨーク駐在として赴任した。
ニューヨーク駐在期間は4年半に及び、アメリカ大陸の主要9カ国25都市で活動。
講演などで世界各地を飛び回る生活は、石丸伸二氏の国際的な視野を広げる経験となった。
帰国後は東京に住んでいたが、順風満帆なキャリアを歩んでいた石丸伸二氏に転機が訪れた。
2020年安芸高田市長選立候補──参院選買収事件がきっかけ

2020年7月、故郷・安芸高田市の市長が「参院選広島選挙区の大規模買収事件」に関わったとして辞職した。
河井案里参議院議員(当時)と夫の河井克行衆議院議員(当時)による公職選挙法違反事件に、安芸高田市の前市長が関与していたのである。
後任として立候補を表明したのは、前市長が後を託したという当時の副市長のみであった。
このニュースに強い危機感を覚えた石丸伸二氏は、出馬を決意し、翌日に会社への退職願を提出した。
投票日の1か月前に準備なく出馬を決めたにもかかわらず、多くの市民の支持を得て当選した。
2020年8月2日、石丸伸二氏は安芸高田市長に就任。
当時37歳で、全国的にも若手市長として注目を集めた。
安芸高田市長時代──「SNS政治」と市議会との対立

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「世界で一番住みたい」と思えるまちへ
石丸伸二氏は市長就任にあたり、「世界で一番住みたいと思えるまちへ」をスローガンに掲げた。
3つの政策の柱:
- 政治再建
- 都市開発
- 産業創出
安芸高田市は、2004年に6つの町が合併して誕生した人口約2万6000人の小さな自治体である。
過去10年で人口が5000人減るという深刻な人口減少に悩まされていた。
石丸伸二氏は、安芸高田市の知名度向上と財政健全化に取り組んだ。
YouTubeチャンネル登録者数26万7000人──全国1位の衝撃

石丸伸二氏の最大の特徴は、SNSを使った「政治の見える化」であった。
安芸高田市公式YouTubeチャンネルで市議会の様子を配信し、特定の議員を「悪役」としてやり玉に挙げ、自らは「ヒーロー」を演じた。
すると、視聴者たちが最もセンセーショナルな場面を切り抜いては次々と投稿し、動画が拡散していった。
YouTubeの成果:
- 登録者数:最盛期で26万7000人
- 人口2万6000人足らずの小さな街が、東京都や神戸市を抜いて全国1位
- ネット上の話題をさらう
YouTubeライブでもらったスーパーチャットや書籍の売り上げは、すべて安芸高田市に寄贈したとされる。
市議会との激しい対立──「恥を知れ!」発言

石丸伸二氏は、市議会を旧態依然とした「抵抗勢力」と位置づけ、しばしば過激とも取れる言葉で議会や議員を批判した。
代表的な発言:
2020年9月25日──居眠り指摘事件
市議会で石丸伸二氏が答弁している時にいびきが響き渡った。
石丸伸二氏は議場で「眠たくならないような答弁にしないといけないな」と話し、後にX(旧Twitter)にこの件を投稿した。
2022年6月──「恥を知れ!」発言
市議の定数削減案を提出した際、石丸伸二氏は議場で「恥を知れ! 恥を」と発言した。
この発言の念頭にあったのは、議会中に居眠りをした武岡隆文市議(当時66歳)であった。
この発言がSNSで大バズリし、石丸伸二氏の知名度を爆上げする一因となった。
メディアへの厳しい姿勢

石丸伸二氏は、地元メディアに対しても厳しい発言をすることがあった。
記者会見で地元記者に対して「質問の意味が分からない」「もっと勉強してから質問してください」などと発言し、論破する姿がYouTubeで拡散された。
こうした姿勢は、一部の視聴者から「既存メディアに負けない市長」として支持を集めた一方で、報道の自由を軽視しているという批判も受けた。
現在話題、注目されている市長については、以下の記事で詳しく解説している。
武岡市議夫妻の悲劇──居眠り指摘から死に至るまで

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武岡隆文市議の居眠りと病気──無症候性脳梗塞だった

2020年9月25日、市議会で石丸伸二氏が答弁している時、武岡隆文市議(当時66歳)が居眠りをしていた。
石丸伸二氏はX(旧Twitter)にこの件を投稿し、「議会の一般質問の際に、いびきをかいて30分居眠りをする議員が1名」と発信した。
しかし、武岡隆文市議は居眠りをしていたのではなかった。
武岡隆文市議は2022年6月の記者会見で、居眠りは「睡眠時無呼吸症候群」によるものだったと発言した。
医師の診断:
- 睡眠時無呼吸症候群
- 居眠りの時は「無症候性脳梗塞」を起こしていた
隣席の議員も「揺すっても一向に起きないので、単に寝ているだけには見えなかった」と証言した。
武岡隆文市議本人は「途中から景色がグラリとしたと思ったその後は記憶にない状態だった」と説明している。
診断書提出とシュレッダー廃棄問題

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武岡隆文市議は2020年9月29日に病院で検査を受け、9月30日に診断書を当時の議長に提出。
議長は秘書広報室室長に託し、市長たる石丸伸二氏にもすぐに渡った。
しかし、石丸伸二氏は診断書を見た後、それをシュレッダーで廃棄した。
石丸伸二氏の説明:
- 「診断書は渡されたが市議本人からではない」
- 「個人情報だったのでシュレッダーにかけた」
- 「自分に都合のいいことだけを言うなら政治家は苦労しない」
石丸伸二氏は、武岡市議が説明責任を果たしていないと感じたようである。
石丸支持者からの誹謗中傷と脅迫──家族への影響
石丸伸二氏のSNS投稿後、武岡隆文市議の元には石丸氏の支持者と思しき人物から頻繁に嫌がらせが相次ぐようになった。
嫌がらせの内容:
- 着払いで商品が無断注文される
- 殺害予告が相次ぐ
- 留守番電話に「殺すぞ」とメッセージが残される
- 遠く離れて暮らす息子の自宅にも誹謗中傷の手紙や脅迫文が届く
武岡隆文市議は自宅に防犯カメラを取り付け、毎日、おびえながら過ごした。
精神的に追い詰められ体調も悪化して、次第に嘔吐を繰り返すようになった。
2023年の年末に救急車で運ばれてからは入退院を繰り返した。
武岡市議の死(2024年1月)と妻の自死

2024年1月30日、武岡隆文市議は68歳で逝去した。
その後も遺族のもとへの非難や脅迫はなくならなかった。
一人暮らしとなり不安を持ったと思われる市議の妻は、警備会社のアルソックと契約を結ぶに至った。
市議の妻は夫の死後、精神疾患を発病し始めた。
2025年1月25日、妻は中国に出張していた息子宛に「たすけて」というLINEメッセージを送信した。
しかし、息子がそのメッセージを受信したのは、帰国した1月26日だった。
2025年1月26日、武岡隆文市議の妻の訃報が届く。
直接の理由は不明ながら、誹謗中傷や脅迫が精神的に追い詰めた可能性が指摘されている。
息子は後に「都知事選前に母は警備会社と契約していた。誹謗中傷の手紙などが届いていたのだと思う」と語っている。
2024年東京都知事選──165万票獲得の衝撃

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任期途中の市長辞職と都知事選出馬(2024年6月)
2024年5月10日、石丸伸二氏は安芸高田市長を2期目に出馬しないと表明した。
市長の任期は2024年8月までであったが、石丸伸二氏は任期途中で辞職することを決断。
2024年5月17日、石丸伸二氏は広島市内で記者会見を開き、東京都知事選への立候補を正式に表明した。
石丸伸二氏の主張:
「実行したいのは東京の発展、地方の発展、国の発展」
2024年6月6日、安芸高田市民文化センター クリスタルアージョ 2階文化ホールで、安芸高田市長退任式が行われた。
職員約200人のほか、市民や市長の支持者ら約260人の合計約460人が集まった。
2024年6月20日、石丸伸二氏は2024年東京都知事選挙への立候補届け出を実施した。
SNS戦略──1日10か所の街頭演説と動画拡散

石丸伸二氏の選挙戦は、「選挙の神様」と呼ばれた藤川晋之助氏のプランに基づいて展開された。
選挙戦の特徴:
- 17日間の選挙期間中に都内200か所以上で街頭演説
- 通常は1日2〜3か所だが、石丸氏は1日10か所のペース
- トライアスロン経験により夕方になっても疲れない体力
- 演説時間は15〜20分程度で短く
石丸氏陣営は自ら録画配信する他、聴衆やボランティアスタッフに動画を撮りSNS上で拡散することを呼びかけた。
選挙本部や街宣車には「SNS投稿OK」「撮影・拡散OK」といったステッカーや貼り紙がされていた。
安芸高田市長時代以来の石丸氏の切抜き動画を作成していた者らが撮影に来て、編集動画をSNS上にアップ。
それらの再生回数はともすれば公式アカウント以上に伸びた。
動画再生数の記録:
- 総計視聴回数は1億5千万回越え
- 全候補者中で最大の視聴数を記録
聴衆は石丸氏の話にウォーと歓声をあげ、ネットなどに石丸氏をアップすることを目的にスマホやカメラで撮影していた。
のちに「石丸信者」と評されるような人々が「石丸はスゴい」と騒いで帰っていった。
マスコミの注目が集まるに連れ、街頭演説の場には動員をかけずとも千人程度の聴衆が集まっていった。
「政策は語らず、政治を変えるという話ばかり」

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石丸伸二氏の演説には、賛否両論があった。
批判の内容:
- 小さな問題はどうでもいいとして政策は語らず
- 「政治を変える」という話ばかり
- 演説は決してうまくない
- 中身がない
しかし、聴衆は石丸氏の話にウォーと歓声をあげた。
街頭演説を行った地域では得票数が蓮舫氏に負けなかったとされる。
165万票獲得で2位──小池百合子氏に次ぐ成績

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2024年7月7日、2024年東京都知事選挙の投開票が行われた。
選挙結果:
- 1位:小池百合子(現職東京都知事)
- 2位:石丸伸二 165万8363票
- 3位:蓮舫(元立憲民主党参議院議員)
首都東京では全く無名の新人ながら、石丸伸二氏は蓮舫氏に大きく差をつけて165万票を獲得。
当選した小池百合子氏に次いで2位。その知名度は全国区となった。
石丸伸二氏は一躍、全国区の政治家となった。
現在話題、注目されている知事については、以下の記事で詳しく解説している。
「再生の道」結成と挫折──都議選・参院選全員落選

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地域政党「再生の道」結成(2025年1月)
2024年11月12日、石丸伸二氏は自身のYouTubeチャンネルでライブ配信を行い、2025年夏の都議選に向け地域政党を結成する方針を表明。
2025年1月15日、石丸伸二氏は会見を開き、同年1月10日付で新党「再生の道」を設立したと明らかにした。
「再生の道」の理念:
- 誰もが政治家を志せる社会
- 誰もが政治に関心を持てる社会
- 政治、地方、日本の再生
党の特徴:
- 地域政党として、広く国民の政治参加を促す
- 自治体の自主性・自立性を高め、地域の活性化を進める
- 2025年6月の都議選に向けて候補者を擁立する
党議拘束なし・政策なしの異例の方針
「再生の道」の最大の特徴は、その異例の方針であった。
「再生の道」のルール:
- 党議・党則は設定しない
- 多選の制限のみ(2期8年を上限とする)
- 党としての政策は特に設けない
- 党員の他党との掛け持ちも認める
元大阪府知事で自身も地域政党「大阪維新の会」を設立した経験を持つ橋下徹氏は、「党議拘束をしないなら、何をやるかも打ち出せない」と指摘した。
「『みんなグループはそれに従えよ』って言わなきゃいけないんだけど、そういうことをやらない。一体何をやるグループなのかということが見えないんじゃないのかなってことが僕は心配します」
世論調査の結果:
朝日新聞社(2025年1月18〜19日):
- 「再生の道に期待する」:36%
- 「期待しない」:50%
- 18〜29歳の男性では「期待する」が6割を超える
- 政治に関するSNSや動画サイトの情報を重視している層では、「期待する」が51%
日本経済新聞社とテレビ東京(2025年1月24〜26日):
- 「再生の道に期待する」:33%
- 「期待しない」:58%
- 国民民主党支持者に限れば「期待する」が53%
2025年2月26日、石丸伸二氏は都議選の公募に対し、1128人の応募があったと発表した。
都議選42人全員落選(2025年6月)

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2025年6月13日、東京都議会議員選挙が告示された。
「再生の道」は、35選挙区に計42人の公認候補を擁立。
石丸伸二氏は「健全な東京都議会を構築する」と主張したが、その主張は「極めて難解だった」と評された。
2025年6月22日、東京都議会議員選挙の投開票が行われた。
結果:
- 「再生の道」公認候補42人全員落選
石丸伸二氏は投開票日に開いた記者会見で選挙結果について、「結果に一喜一憂するのがどうなんだろうというのが私のポリシー。私も含めて候補者、再生の道としてできることはしっかりと全部できたなと感じる」と述べた。
「石丸自身が出馬していれば流れが変わったのでは」との質問に対しては「私一人に集約するよりも、広げていく方が大事ではないか」との持論を述べた。
参院選10人全員落選と代表退任(2025年9月)

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2025年4月25日、石丸伸二氏は記者会見で、夏に実施される参議院議員選挙への候補者擁立を発表した。
東京選挙区1人、比例代表9人の計10人の候補者を擁立し、石丸氏本人は出馬しなかった。
政策として公教育の充実を目指した「教育投資」を掲げた。
2025年7月、参議院議員選挙の投開票が行われた。
結果:
- 「再生の道」公認候補10人全員落選
都議選・参院選で合計52人全員落選という結果に終わった。
2025年8月24日、石丸伸二氏は再生の道の代表を辞任する意向を固めたことを自身のYouTubeチャンネルの生配信で明らかにした。
2025年8月27日、石丸伸二氏は記者会見を開き「代表選考会を行う」として、新代表選出後の9月16日付での代表辞任を発表。
石丸伸二氏の説明:
- 「代表を属人的なものにしないため、昨年末から選挙前後に代表を交代すると言っていた。当初の予定に沿った代表交代だ」
- 2028年の都知事選への立候補が「有力な選択肢」
- 「これからも何らかの形で政治活動は続けていく」

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2025年9月16日、再生の道代表選挙が行われ、6月の都議選で落選した京大院生の奥村光貴氏が新代表に就任した。
石丸伸二氏は同日付で代表を退任。
奥村光貴氏は記者会見で党の意思決定を人工知能(AI)に委ねる考えを示した。
2025年11月葛飾区議選──「再生の道」初議席獲得と今後の展望

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岩見奈津代氏の当選──52連敗を止めた初議席
2025年11月2日、東京都葛飾区議会議員選挙が告示された。
「再生の道」から岩見奈津代氏(56歳)が立候補した。
岩見奈津代氏は地元・葛飾区出身で、「葛飾プライド」を掲げ、ブランディングの強化で「もっと稼げる葛飾に」などと訴えた。
岩見奈津代氏は2025年6月の都議選(葛飾区、定数4)に同党から立候補し、1万5100票を獲得したが、落選していた。
2025年11月9日、葛飾区議会議員選挙の投開票が行われた。
選挙結果:
- 定数:40人
- 岩見奈津代氏:2930票を集めて16位で当選
- 投票率:40.35%(前回44.03%)
「再生の道」にとっては、2025年1月の結党以来、初の議席獲得となった。
都議選42人、参院選10人の計52人全員落選という記録を、岩見奈津代氏が53人目でついに止めた。
石丸伸二前代表の応援演説

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選挙戦では、前代表の石丸伸二氏も応援に入っていた。
選挙が告示された2025年11月2日、石丸伸二氏は綾瀬駅前などで応援演説を行った。
石丸伸二氏の応援演説:
「岩見奈津代のような人物が皆さんの声を聞き、情報発信をすることが葛飾区では必要」
選挙活動初日、石丸伸二氏は亀有駅→金町駅→青砥駅→新小岩駅とメインの駅を回り、岩見氏の地元・お花茶屋でも一緒に街宣を行った。
岩見奈津代氏は「再生の道の立ち上げに関わった人という表現では言葉足らず。立ち上げ、私たちに火をつけ、私の人生を変えてしまった張本人」と石丸氏を評した。
「再生の道」の今後──2027年統一地方選が目標

石丸伸二氏が代表を退任した後も、「再生の道」は存続している。
新代表の奥村光貴氏は、党の意思決定を人工知能(AI)に委ねる考えを示している。
政治団体としての当面の活動では、2027年の統一地方選が「最大の目標」とされている。
「再生の道」事務局長の西岡直人氏は、都知事選の石丸旋風の仕掛け人で「選挙の神様」と呼ばれた藤川晋之助氏(2025年3月死去)が、藤川選挙戦略研究所でナンバー2だった人物である。
西岡直人氏に藤川氏が託し、「再生の道」の事務局長に就任した。
葛飾区議選での議席獲得は、西岡直人氏の尽力によるところが大きいとされる。
2028年都知事選への出馬は「有力な選択肢」

石丸伸二氏は、2025年8月27日の記者会見で、2028年の都知事選への立候補が「有力な選択肢」と言及した。
選挙後には朝日新聞の取材に応じ、自身が参院選に立候補しなかった理由について「(参院議員は)6年の任期があり、(2028年までに予定される)都知事選への立候補という選択肢を残すために出なかった」と述べた。
石丸伸二氏は「これからも何らかの形で政治活動は続けていく」と語っている。
2024年東京都知事選で165万票を獲得した実績は、石丸伸二氏にとって大きな財産である。
2028年都知事選への出馬は、石丸伸二氏にとって現実的な選択肢となっている。
まとめ──石丸伸二と「SNS政治」の光と影

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165万票獲得の衝撃とSNS政治の成功
石丸伸二氏は、2024年東京都知事選で165万票を獲得し、小池百合子氏に次ぐ2位となった。
首都東京では全く無名の新人ながら、YouTubeやX(旧Twitter)を活用した「SNS政治」で、全国区の政治家となった。
SNS政治の成功要因:
- 1日10か所以上の街頭演説をこなす体力
- 「SNS投稿OK」「撮影・拡散OK」の戦略
- 総計視聴回数1億5千万回越えの動画拡散
- 「石丸信者」と呼ばれる熱狂的な支持者
石丸伸二氏の成功は、SNSを活用すれば無名の新人でも短期間で全国的な知名度を得られることを証明した。
特に若年層の男性やSNSを重視する層からの支持を集めた。
武岡市議夫妻の悲劇が示す影の側面

しかし、石丸伸二氏の「SNS政治」には、深刻な影の側面もあった。
2020年9月、石丸伸二氏に居眠りを指摘された武岡隆文市議は、実際には「無症候性脳梗塞」を起こしていた。
石丸伸二氏がX(旧Twitter)でこの件を投稿した後、武岡市議の元には石丸氏の支持者と思しき人物から頻繁に嫌がらせが相次いだ。
殺害予告、着払いでの商品無断注文、誹謗中傷の手紙や脅迫文が届き、武岡市議は精神的に追い詰められた。
2024年1月30日、武岡市議は68歳で逝去した。
その後も遺族への非難や脅迫はなくならず、2025年1月26日、武岡市議の妻は「たすけて」というメッセージを息子に残して自死した。
問題の本質:
- 石丸伸二氏のSNS投稿が、武岡市議への誹謗中傷を誘発した可能性
- 「石丸信者」と呼ばれる一部の支持者による過激な行動
- SNSで特定の個人を「悪役」として取り上げる危険性
石丸伸二氏は武岡市議夫妻の訃報について、公の場で言及していない。
安芸高田市に何を残したのか?

石丸伸二氏は、2020年8月から2024年6月まで安芸高田市長を務めた。
2023年10月12日、石丸伸二氏は市長任期が残り1年を切った中で、就任時に掲げた政治再建に関し「ほぼ達成した」との見解を示した。
しかし、政治家の評価が決まるのは、「その人が去った後に何を残したか?」である。
安芸高田市の現状(2024年以降):
- 2024年7月、安芸高田市長選で石丸市政からの転換を掲げた藤本悦志氏が当選
- 市議会の応酬や記者会見の動画を編集した切り抜き動画について、事実と違うものについて削除要請を検討すると発表
- 安芸高田市公式YouTubeチャンネルの登録者数は、最盛期の26万7000人から2025年6月現在で18万4000人に減少
安芸高田市の人口減少は止まっておらず、石丸伸二氏が掲げた「世界で一番住みたいと思えるまち」は実現していない。
権力ウォッチの視点

『権力ウォッチ』は、石丸伸二氏の動向を今後も追い続ける。
注目ポイント:
- 2028年都知事選への出馬はあるのか
- 「再生の道」は今後どう展開するのか
- 武岡市議夫妻の悲劇について、石丸氏は何を語るのか
- SNS政治の光と影をどう総括するのか
石丸伸二氏の政治手法は、SNSを活用すれば短期間で全国的な知名度を得られることを証明した。
しかし、その一方で、SNSで特定の個人を「悪役」として取り上げることが、誹謗中傷や脅迫を誘発し、人の命を奪う結果につながる危険性も示した。
石丸伸二氏が2028年都知事選に出馬するのであれば、武岡市議夫妻の悲劇について、どのように向き合い、説明責任を果たすのかが問われる。
SNS政治の光と影を見つめ、権力者の行動を監視し続けることが、民主主義を守るために不可欠である。












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