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村井紀之(元兵庫県警本部長)の経歴と警察庁人事|サイバーセキュリティと交通行政の実績

警察幹部

村井紀之氏は、兵庫県警本部長として故郷に戻り、 わずか2年で中国四国管区警察局長へ昇進した警察官僚である。

東京大学法学部から警察庁に入庁し、 サイバーセキュリティ対策の最前線で日本年金機構情報流出事件に対応、 警察庁交通局交通指導課長として全国の交通行政を統括した経歴を持つ。

灘中学・高校から東大法学部という典型的なエリート警察官僚コースを歩みながら、 音楽制作を趣味とする異色の一面も持つ村井紀之氏。

青森県警本部長時代に官邸のサイバーセキュリティ政策に関与し、 兵庫県警本部長として斎藤元彦兵庫県知事をめぐる騒動でも注目を集めた。

警察庁と地方警察、政府機関を行き来するキャリア警察官僚の実像を、 権力構造の視点から徹底解説する。

  1. 村井紀之のプロフィール
  2. 詳しい経歴──警察庁エリートコースと地方警察
    1. 学歴と警察庁入庁
    2. 地方警察での経験(1990年代〜2000年代)
    3. 警察庁本庁での中核ポスト
    4. 地方警察本部長への昇進
  3. サイバーセキュリティ対策と日本年金機構事件
    1. 内閣官房内閣審議官としての役割
    2. 日本年金機構情報流出事件への対応
    3. サイバーセキュリティ政策への影響
    4. 警察庁とサイバーセキュリティセンターの連携
  4. 警察庁交通局交通指導課長──全国の交通行政を統括
    1. 交通局交通指導課長の役割
    2. 全国の交通事故対策
    3. 交通規制と道路交通法
    4. 地方警察への指導と調整
  5. 兵庫県警本部長時代──斎藤知事騒動への対応
    1. 故郷への「恩返し」としての赴任
    2. 兵庫県知事選をめぐる騒動
    3. SNS上の虚偽情報への対応
    4. 警察と政治の関係
  6. 音楽活動とYouTuber──異色の警察官僚
    1. 学生時代からの音楽活動
    2. 「青森応援AOチャンネル♪」の開設
    3. 警察官僚としての顔と音楽家としての顔
    4. 白バイ隊員への楽曲制作
  7. 中国四国管区警察局長への昇進と突然の異動待機
    1. 管区警察局長への昇進
    2. 異動待機の発表
    3. 警察庁人事の不透明性
    4. 今後の動向
  8. まとめ──村井紀之とキャリア警察官僚の権力構造
    1. 村井紀之のキャリアの特徴
    2. 警察庁と地方警察の人事循環
    3. サイバーセキュリティと警察権力
    4. 権力ウォッチの視点

村井紀之のプロフィール

https://www.kobe-np.co.jp/

村井紀之氏は、1990年に警察庁に入庁したキャリア警察官僚である。

兵庫県伊丹市出身で、灘中学・高等学校から東京大学法学部へ進学し、警察庁入庁後は交通局交通指導課長や内閣官房内閣審議官(サイバーセキュリティ担当)を歴任した。

  • 村井紀之(むらいともゆき)


  • 生年月日  1967年生まれ(推定、58歳・2025年時点)


  • 出身地  兵庫県伊丹市


  • 学歴 灘中学・高~東京大学法学部卒


  • 現職 官房付(異動待機中)※2025年9月5日付


  • 前職 中国四国管区警察局長、兵庫県警本部長、内閣官房内閣審議官


  • 警察庁入庁  1990年 –

村井紀之氏は、青森県警本部長を経て、2023年3月に故郷である兵庫県の兵庫県警本部長に就任した。

2025年3月には中国四国管区警察局長に昇進したが、同年9月5日付で警察庁官房付(異動待機)となり、現在に至る。

詳しい経歴──警察庁エリートコースと地方警察

村井紀之氏の経歴は、警察庁キャリア官僚の典型的なエリートコースを歩んだものである。

灘高校から東京大学法学部を経て1990年に警察庁に入庁し、地方警察と警察庁本庁を往復しながら、サイバーセキュリティや交通行政の中核ポストを歴任した。

兵庫県警本部長として故郷に戻った村井紀之氏の経歴は、警察官僚の権力構造を示す典型例といえる。

学歴と警察庁入庁

村井紀之氏は、兵庫県伊丹市に生まれ、伊丹市立南小学校から灘中学・高等学校へ進学した。

灘高校は全国屈指の進学校であり、東京大学への進学率が約半数に及ぶ教育機関である。

村井紀之氏は灘高校から東京大学法学部に進学し、1990年に警察庁に入庁した。

警察庁キャリア官僚としてのスタートである。

地方警察での経験(1990年代〜2000年代)

警察庁入庁後、村井紀之氏は地方警察で実務経験を積んだ。

高知県警警備第一課長、福岡県警捜査第二課長、大阪府警生活安全部長を歴任し、警備、捜査、生活安全と幅広い分野で経験を積んだ。

地方警察での実務経験は、警察官僚としての基盤を築く重要な期間である。

警察庁本庁での中核ポスト

地方警察での経験を経て、村井紀之氏は警察庁本庁の中核ポストに就任した。

警察庁生活安全局生活環境課理事官、警察庁交通局交通指導課長を歴任し、特に交通局交通指導課長は全国の交通行政を統括する重要ポストである。

内閣官房内閣審議官(サイバーセキュリティ担当)として、2014年から2015年、および2021年から2023年まで政府のサイバーセキュリティ政策に関与した。

2015年に発覚した日本年金機構の情報流出事件では、内閣サイバーセキュリティセンターで実態解明に当たった。

村井紀之氏は後に、「世間に与えたインパクトが大きく、サイバー攻撃の恐ろしさを思い知った事件だった」と振り返っている。

地方警察本部長への昇進

https://kobe-np.co.jp/

警察庁本庁での実績を経て、村井紀之氏は地方警察本部長に昇進した。

青森県警本部長(2019年8月〜2021年8月)を経て、2023年3月に兵庫県警本部長に就任。

兵庫県警本部長は、出身地である兵庫県への初の地元出身者としての赴任だった。

村井紀之氏は着任会見で、「かつての警察庁人事では、地元での赴任を避ける慣行があったため、内示を受けた時は心から『ありがたい』と思った」と語っている。

2025年3月には中国四国管区警察局長に就任したが、同年9月5日付で官房付(異動待機)となった。

サイバーセキュリティ対策と日本年金機構事件

村井紀之氏は、兵庫県警本部長として知られる前に、サイバーセキュリティ分野で重要な役割を果たした警察官僚である。

内閣官房内閣審議官として2014年から政府のサイバーセキュリティ政策を担当し、2015年の日本年金機構情報流出事件では実態解明の中心を担った。

警察庁出身者として内閣サイバーセキュリティセンターと警察庁の橋渡し役を務め、日本のサイバーセキュリティ体制強化に貢献した経歴は、村井紀之氏のキャリアにおいて重要な位置を占める。

内閣官房内閣審議官としての役割

村井紀之氏は、2014年に内閣官房内閣審議官(サイバーセキュリティ担当)に就任した。

内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)は、政府全体のサイバーセキュリティ政策を統括する組織である。

村井紀之氏は、警察庁から内閣官房に出向し、政府機関や重要インフラのサイバーセキュリティ対策を担当した。

警察庁のサイバー犯罪捜査の知見を持つ村井紀之氏の任命は、政府のサイバーセキュリティ体制強化において重要な意味を持った。

内閣審議官として、省庁横断的なサイバーセキュリティ政策の立案と調整を担った。

日本年金機構情報流出事件への対応

https://xtech.nikkei.com/

2015年5月、日本年金機構が不正アクセスを受け、約125万件の個人情報が流出する事件が発生した。

村井紀之氏は、内閣サイバーセキュリティセンターの立場から、警察庁や警視庁と協力して実態解明に当たった。

事件の概要は、2015年5月に日本年金機構の職員端末が標的型攻撃を受け、約125万件の個人情報(基礎年金番号、氏名、生年月日など)が流出したというものである。

政府は事態を重く見て、内閣官房を中心に対応した。

村井紀之氏は、日本年金機構事件を振り返り、「世間に与えたインパクトが大きく、サイバー攻撃の恐ろしさを思い知った事件だった」と語っている。

兵庫県警本部長就任後も、サイバーセキュリティへの関心を持ち続けている。

サイバーセキュリティ政策への影響

日本年金機構事件を契機に、政府のサイバーセキュリティ対策は強化された。

サイバーセキュリティ基本法の改正、重要インフラ事業者へのセキュリティ対策強化、政府機関の情報セキュリティ体制の見直しが進められた。

村井紀之氏は、警察庁と内閣官房の橋渡し役として、政策立案に関与。

警察庁のサイバー犯罪捜査の実務経験を持つ村井紀之氏の知見は、政府全体のサイバーセキュリティ政策に反映された。

警察庁とサイバーセキュリティセンターの連携

内閣サイバーセキュリティセンターは、警察庁、防衛省、経済産業省など複数の省庁と連携して活動する。

村井紀之氏は、警察庁出身者として、警察庁とNISCの連携を強化する役割を果たした。

警察庁の役割は、サイバー犯罪の捜査、サイバー攻撃の実態解明、国際的なサイバー犯罪対策である。

村井紀之氏のような警察官僚が内閣官房に出向することで、警察庁の知見が政府全体のサイバーセキュリティ政策に反映される構造がある。

兵庫県警本部長となった後も、村井紀之氏はサイバーセキュリティ分野での経験を活かした警察運営を行っている。

警察庁交通局交通指導課長──全国の交通行政を統括

村井紀之氏は、兵庫県警本部長となる前に、警察庁交通局交通指導課長として全国の交通行政を統括した経験を持つ。

2016年3月に就任した交通局交通指導課長は、交通事故対策、交通規制、道路交通法の運用など全国の交通警察を統括する重要ポストである。

村井紀之氏は、交通局交通指導課長として交通事故防止対策を推進し、地方警察への指導・調整を担当した経験が、後の兵庫県警本部長としての職務に活きることとなった。

交通局交通指導課長の役割

村井紀之氏は、2016年3月に警察庁交通局交通指導課長に就任した。

交通局交通指導課は、全国の交通警察の中核を担う部署であり、交通事故対策、交通規制、道路交通法の運用などを統括する。

主な所掌事務は、交通事故防止対策の企画立案、交通取締りの方針決定、道路交通法の解釈・運用、地方警察への指導・調整である。

警察庁交通局交通指導課長は、警察庁のキャリア官僚にとって重要なポストであり、村井紀之氏の経歴において中核的な位置を占める。

全国の交通事故対策

交通局交通指導課長として、村井紀之氏は全国の交通事故対策を統括した。

2016年の交通事故死者数は3,904人であり、高齢者の交通事故増加や飲酒運転の根絶が課題となっていた。

村井紀之氏は、交通事故防止対策を推進するため、地方警察と連携して高齢者の交通安全対策や飲酒運転撲滅キャンペーンを展開。

警察庁交通局から全国の都道府県警察に対して方針を示し、統一的な交通事故対策を実施した。

兵庫県警本部長就任後も、交通局での経験を活かした交通行政を展開している。

交通規制と道路交通法

交通局交通指導課長は、道路交通法の解釈・運用を担当する。

村井紀之氏は、速度規制の見直し、信号機の設置基準、駐車規制の運用、交通取締りの方針などを統括した。

警察庁交通局として、全国の交通規制の合理化を進め、地方警察の交通行政を支援。

道路交通法の解釈を統一し、都道府県警察間の運用のばらつきを是正する役割を担った。

交通局での経験は、村井紀之氏が兵庫県警本部長として交通行政を統括する上で重要な基盤となった。

地方警察への指導と調整

警察庁交通局は、全国の都道府県警察に対して指導・調整を行う。

村井紀之氏は、交通指導課長として、地方警察との連絡調整を担当。

交通事故防止対策の指導、交通取締りの方針伝達、道路交通法の解釈統一など、警察庁交通局と地方警察の橋渡し役を務めた。

交通局での地方警察との連携経験が、後の青森県警本部長、兵庫県警本部長としての職務に活きることとなった。

村井紀之氏は、警察庁交通局での経験を通じて、全国の交通行政を俯瞰する視点を獲得した。

兵庫県警本部長時代──斎藤知事騒動への対応

https://www.chunichi.co.jp/

村井紀之氏は、2023年3月に兵庫県警本部長として故郷に赴任し、2024年から2025年にかけて発生した斎藤元彦知事をめぐる騒動に対応した。

兵庫県知事選を前にSNS上で拡散された虚偽情報に対して、村井紀之氏は兵庫県警本部長として「事実無根」と公に否定し、デマ拡散への警鐘を鳴らした。

警察庁から地方警察本部長となった村井紀之氏の対応は、警察と政治の関係における政治的中立性の維持という観点から注目された。

故郷への「恩返し」としての赴任

2023年3月22日、村井紀之氏は兵庫県警本部長に就任。

兵庫県伊丹市出身の村井紀之氏にとって、故郷の警察本部長就任は特別な意味を持った。

村井紀之氏は着任会見で、「かつての警察庁人事では、地元での赴任を避ける慣行があったため、内示を受けた時は心から『ありがたい』と思った。生まれ育った故郷に恩返しができる」と語っている。

警察庁のキャリア官僚として全国を転々とした村井紀之氏が、兵庫県警本部長として故郷に戻ることは異例の人事だった。

兵庫県知事選をめぐる騒動

https://news.nifty.com/

2024年11月、兵庫県知事選を前に、前兵庫県議の竹内英明氏をめぐる騒動が発生した。

SNS上で「竹内前県議が逮捕予定だった」との虚偽情報が拡散され、竹内氏は議員辞職後も誹謗中傷を受け続けた。2025年1月、竹内氏が死去した。

兵庫県知事選では、斎藤元彦知事のパワハラ疑惑が焦点となり、政治的に混乱した状況の中で、村井紀之氏は兵庫県警本部長として虚偽情報への対応を迫られた。

警察庁出身のキャリア官僚である村井紀之氏にとって、政治的中立性を保ちながら対応することが求められた。

竹内英明氏、斎藤元彦知事については、以下の記事で詳しく解説している。

SNS上の虚偽情報への対応

村井紀之氏は、2025年3月28日の離任会見で、SNS上の虚偽情報について言及。

兵庫県警本部長として、「悪意のない人が虚偽を拡散させるのは止めないといけない」と述べ、SNS上のデマ拡散に警鐘を鳴らした。

村井紀之氏の発言は、「事実無根の情報が拡散され、関係者が深刻な被害を受けた。警察として、虚偽情報の拡散を防ぐ取り組みが必要だ」というものだった。

兵庫県警本部長としての村井紀之氏の対応は、斎藤元彦知事をめぐる騒動において、警察の立場を明確に示したものである。

警察と政治の関係

兵庫県知事選をめぐる騒動では、警察と政治の関係が注目された。

村井紀之氏は、県議会で「前県議は逮捕予定だった」との情報を「事実無根」と公に否定。

警察本部長の役割は、県警の最高責任者として、都道府県知事の監督下にありながら、政治的中立性を維持することである。

村井紀之氏の対応は、兵庫県警本部長としての職責を果たしたものと評価された。

警察庁から地方警察本部長となった村井紀之氏は、斎藤元彦知事をめぐる騒動において、警察の独立性と政治的中立性を示した。

現在話題、注目される他の本部長については、以下の記事で詳しく解説している。

音楽活動とYouTuber──異色の警察官僚

村井紀之氏は、兵庫県警本部長として知られる一方で、YouTubeで音楽を配信する異色のキャリア警察官僚である。

警察庁キャリア官僚として厳格な職務を遂行しながら、青森県警本部長時代に「青森応援AOチャンネル♪」を開設し、作詞・作曲した楽曲を公開した。

兵庫県警本部長となった後も音楽活動を継続し、白バイ隊員の全国優勝を祝福する楽曲を制作するなど、警察官僚としての顔と音楽家としての顔を両立させた村井紀之氏の姿は注目を集めた。

学生時代からの音楽活動

村井紀之氏は、学生時代からバンド活動に打ち込んでいた。

警察庁入庁後は、キャリア警察官僚として仕事に専念することで、次第に楽曲制作をすることはなくなっていた。

しかし、青森県警本部長時代に、ふたたび音楽活動を再開することとなる。

警察庁から地方警察本部長へと転じた村井紀之氏が、学生時代の情熱を取り戻したのは、青森の地での経験がきっかけだった。

「青森応援AOチャンネル♪」の開設

2021年春、青森県警本部長時代に、村井紀之氏は突然、歌詞とメロディーを思いついた。

青森市の八甲田大橋を渡り、買い物に向かっていた時、自然と歌を口ずさんでいたという。

村井紀之氏は、青森への感謝の気持ちを込めて、「青森応援AOチャンネル♪」というYouTubeチャンネルを開設した。

楽曲「AO1:青い森のむこうに」は、青森の自然や人情への感謝を込めた楽曲であり、村井紀之氏自身が作詞・作曲し、YouTubeで無料配信している。

警察庁から青森県警本部長となった村井紀之氏の、地域への感謝の表現方法は独特である。

警察官僚としての顔と音楽家としての顔

村井紀之氏は、兵庫県警本部長時代にも音楽活動を続けた。

兵庫県警本部長として、「私もユーチューバーなんです」と語り、自身の音楽活動を紹介している。

村井紀之氏の音楽活動の特徴は、作詞・作曲・編集をすべて自身で行い、地域への感謝を込めた楽曲制作を行い、キャリア警察官僚としての立場と両立させている点である。

警察庁キャリア官僚という厳格な職務と、音楽という創造的な活動を両立させる村井紀之氏の姿は、異色の警察官僚として注目された。

白バイ隊員への楽曲制作

2024年、兵庫県警の白バイ隊員が全国大会で優勝した際、村井紀之氏は祝福の楽曲を制作した。

兵庫県警本部長として、「兵庫県警察として白バイ隊員の出した結果をどれだけ称えられるのかは真面目なテーマ。

自分にできることがあるなと思い、創作意欲が急激に高まった」と語っている。

警察本部長としての職務と音楽活動を両立させる村井紀之氏は、キャリア警察官僚として異色の存在である。

警察庁から地方警察本部長へと転じた村井紀之氏の音楽活動は、兵庫県警本部長としての地域貢献の一環でもあった。

中国四国管区警察局長への昇進と突然の異動待機

村井紀之氏は、2025年3月に中国四国管区警察局長に昇進したが、わずか半年後の9月5日に警察庁から突然、官房付(異動待機)とする人事が発表された。

兵庫県警本部長からわずか2年での管区警察局長就任は、キャリア警察官僚として順調な昇進だったが、当初「辞職」と公表された人事が「異動待機」に変更されたことで、事実上の更迭ではないかとの見方が広がっている。

警察庁は理由を明らかにしておらず、警察庁人事の不透明性が改めて浮き彫りになった。

管区警察局長への昇進

https://www.chugoku-np.co.jp/

2025年3月、村井紀之氏は中国四国管区警察局長に就任した。

管区警察局長は、複数の都道府県警察を統括する重要ポストであり、警視監の中でも上位の役職である。

中国四国管区警察局の管轄は、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県の9県である。

村井紀之氏は、兵庫県警本部長からわずか2年で昇進した。

警察庁キャリア官僚として順調なキャリアを歩んでいたことを示す人事だった。

異動待機の発表

しかし、2025年9月5日、警察庁は突然、村井紀之氏を官房付(異動待機)とする人事を発表した。

警察庁の発表では、当初、村井紀之氏は9月8日付で辞職すると公表されていたが、人事を変更し、官房付(異動待機)になった。

理由は明らかにされていない。

異動待機とは、次の異動先が決まるまで待機する状態である。

当初「辞職」と発表された人事が「異動待機」に変更されたことから、事実上の更迭ではないかとの見方が広がっている。

兵庫県警本部長の後任には、警視庁長官官房付の小西康弘氏が着任した。

警察庁人事の不透明性

警察庁は、村井紀之氏の異動待機の理由を明らかにしていない。

考えられる理由としては、健康上の理由、組織内の人事調整、何らかの問題などが推測されるが、警察庁からの公式な説明はない。

警察庁人事は、理由が公表されないことが多く、不透明性が指摘されている。

キャリア警察官僚の人事は、警察庁内部の判断で行われ、外部からの検証が困難である。

村井紀之氏の異動待機についても、警察庁は「理由は明らかにしない」という姿勢を貫いている。

今後の動向

村井紀之氏の今後の動向は不明である。

可能性としては、他の警察本部長への異動、警察庁本庁への復帰、退職などが考えられる。

村井紀之氏は、警視監という高い階級にあり、キャリア警察官僚として今後も重要ポストに就く可能性がある。

しかし、「辞職」から「異動待機」への人事変更は異例であり、兵庫県警本部長時代の何らかの問題が影響している可能性も指摘されている。

警察庁の不透明な人事は、村井紀之氏の今後のキャリアにも影響を与える可能性がある。

現在の警察庁、警視庁のトップについては、以下の記事で詳しく解説している。

まとめ──村井紀之とキャリア警察官僚の権力構造

https://www.yomiuri.co.jp/

村井紀之氏は、警察庁キャリア官僚の典型的な経歴を歩み、兵庫県警本部長として故郷に戻った後、中国四国管区警察局長へ昇進したが、突然の異動待機となった。

東京大学法学部から警察庁に入庁し、サイバーセキュリティや交通行政で中核を担い、内閣官房に出向して政府のサイバーセキュリティ政策に関与した経歴の村井紀之氏。

キャリア警察官僚が地方警察、警察庁本庁、内閣官房を行き来しながら警察権力が政府全体に及ぶ構造を示している。

村井紀之のキャリアの特徴

村井紀之氏は、警察庁キャリア官僚の典型的な経歴を歩んだ。

東京大学法学部からのキャリア入庁、地方警察と警察庁本庁を往復、サイバーセキュリティ、交通行政、生活安全と幅広い分野での経験、内閣官房への出向経験が、村井紀之氏のキャリアの特徴である。

一方で、音楽活動を続ける異色の一面も持つ。

警察庁キャリア官僚としての厳格な職務と、YouTubeで音楽を配信する創造的な活動を両立させた村井紀之氏は、兵庫県警本部長として地域貢献にも音楽を活用した。

警察庁と地方警察の人事循環

警察庁のキャリア官僚は、地方警察と警察庁本庁を往復するキャリアパスを歩む。

典型的なキャリアパスは、警察庁入庁後、地方警察(課長級)、警察庁本庁(課長補佐〜課長級)、地方警察(部長級)、警察庁本庁(課長〜理事官級)、都道府県警察本部長、管区警察局長または警察庁幹部という流れである。

村井紀之氏も、高知県警、福岡県警、大阪府警で経験を積み、警察庁本庁で交通局交通指導課長などを務め、青森県警本部長、兵庫県警本部長、中国四国管区警察局長とキャリアパスを歩んだ。

キャリア警察官僚の人事循環は、警察庁が地方警察を統括する権力構造の基盤である。

サイバーセキュリティと警察権力

村井紀之氏は、サイバーセキュリティ対策の最前線で活躍した。

日本年金機構情報流出事件への対応を通じて、警察庁とサイバーセキュリティセンターの連携を強化した。

サイバーセキュリティと警察権力の関係は、サイバー犯罪の捜査権限、個人情報保護とのバランス、国際的なサイバー犯罪対策という形で現れる。

村井紀之氏のようなキャリア警察官僚が政府のサイバーセキュリティ政策に関与することで、警察権力がサイバー空間にも及ぶ構造がある。

兵庫県警本部長となった後も、サイバーセキュリティ分野での経験を活かした警察運営を行った。

権力ウォッチの視点

『権力ウォッチ』は、村井紀之氏と警察官僚の動向を注視する。

突然の異動待機の理由、警察庁人事の不透明性、サイバーセキュリティ政策への警察の影響力、地方警察と政治の関係が注目ポイントである。

キャリア警察官僚が地方警察、警察庁本庁、内閣官房を行き来する構造は、警察権力が政府全体に及ぶ仕組みを示している。

村井紀之氏の今後の動向は、日本の警察権力の実態を理解する上で重要な指標となる。

兵庫県警本部長として斎藤元彦知事をめぐる騒動に対応した村井紀之氏の経験は、警察と政治の関係を考える上でも示唆に富む。

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